コンパクトコンポーネントDVDシステム「EX-AR7」
 今年8月22日、HMV渋谷店が20年の歴史に幕を下ろした――。「CDが売れない時代」と嘆く声も一部で耳にしたが、同社は売り上げの3分の1以上をECが占めているのが実態。景気低迷により消費者が外での買い物を控える一方で、流通システムは発達し、EC市場は規模を拡大。音楽ファンの購買動向は、店舗からネット通販や、着うた等の配信へと徐々にシフトしつつある。

 日本レコード協会が実施した2009年度「音楽メディアユーザー実態調査」では、「普段利用しているオーディオ機器」の第1位がパソコンとなり、2位がコンポ型ステレオ(ミニコンポ含む)、3位と4位にデジタル携帯オーディオプレーヤーがランクイン。通勤や通学時など音楽を持ち歩いて楽しむ一方で、未だ自宅ではコンポよりもパソコンで音楽を聴いているリスナーが多いという結果が表れた。

 しかしながら、パソコン内蔵のスピーカーから聴こえる音楽は、アーティストがレコーディングスタジオで創りあげた音楽とは、比べるまでもなく程遠い。インドアに滞在する時間が増えたにも関わらず、劣悪なスピーカーで音楽を聴いていたのでは、せっかくのプライベートタイムも台無しだ。

 そこで今回、音楽を楽しむためパソコンからコンポのスピーカーへとワンランク上のライフスタイルとして提案したいのが、日本ビクターの「ウッドコーンスピーカー」だ。アーティストのイメージに沿って創りあげたオリジナル・マスターテープ“原音”を可能な限り忠実にリスナーへ届けたいという“原音探究”への願いから、優れた音響特性を持つ“木”そのものを振動板に採用した日本ビクター独自のスピーカーである。

 人類には、旧石器時代から木材を加工して家屋や家具を作り、共に暮らしてきた長い歴史がある。部屋を見渡せば、身の回りの木製家具の多さに改めて気付くと思うが、現在に至るまで何層もの年輪を重ねてきた「木」は、もはや人々の生活に欠かすことの出来ない存在となっている。優しく美しい、そして柔らかな温もりで人間の心を癒してくれるのだ。

 バイオリンやギターなど、「木」で作られた楽器が美しい音色を奏でるように、「木」を使ってスピーカーを作れば、いい音が届けられるはず。そんな開発者の想いから、日本ビクターは2003年に独自の「ウッドコーンスピーカー」を搭載したシステムコンポ「EX-A1」を発売した。

 「ウッドコーンスピーカー」最大の特長はその名の通り、それまで使用されていた「紙」や「アルミ」などの素材に代わり、振動板に「木」を使用していること。音の伝わりが速く、余分な振動も適度に吸収するという2つの特性を兼ね備えた「ウッドコーン」は、まさにスピーカーの振動板として理想的な自然からの贈り物だった。

 以来、同社ではスピーカーの2ウェイ化や単品スピーカーの発売など、「ウッドコーンスピーカー」搭載商品のラインアップを拡充。2009年9月には、1,000台の限定モデルとして完売した「EX-AR3 Limited」をリファインして量産モデル化した、フルレンジタイプのトップモデル「EX-AR7」を発売した。

 「EX-AR7」では、振動板の表面に音場拡大と解像度を向上する“異方性振動板”を加え、前・左右方向の音圧を上昇。コンパクトなスピーカーを感じさせない、ワイドな音場と解像度の向上を実現している。また、更なる高音質を求めて、従来クラフト紙で作られていたボビンに、ウッドコーンと同じ樺材の木製ボビンを採用した“ウッドボイスコイル”を搭載し、伝達ロスの抑制により解像度を向上。さらに全7モデルのラインナップの内、唯一センターユニットの天板に、鳴きを防ぎ音の濁りを抑える“ウッドトップベースを採用しているのも特長だ。