フランク・リベリ(バイエルン・ミュンヘン)とカリム・ベンゼマ(レアル・マドリー)が20日、未成年買春容疑でパリ司法当局に7時間にわたって身柄を拘束され、予審判事の取り調べを受けた。ル・モンド紙などが報じた。

 すでにリベリとベンゼマは4月に、組織売春事件の参考人として警察から任意の事情聴取を受けていたが、今回はさらに一段階進んで、被疑者として公訴を前提に聴取されたことになる。裁判に至って容疑が確定した場合、最大で3年の拘禁と4万5000ユーロ(約500万円)の罰金が科されるおそれがある。

 現時点では、相手の女性(当時18歳未満)が年齢を偽っていたと証言し、リベリとベンゼマも「未成年だとは知らなかった」と主張しており、検察側がこれを覆す新たな事実を立証できない限り、裁判に持ち込むのは困難と見られる。

 一方で、参考人でなく被疑者として聴取に至ったからには、検察側が何らかの新たな「重要証拠」をつかんでいる可能性も否定できない。ただしこれについては、リベリの弁護士(聴取への立ち会い、および予審資料の閲覧が認められている)が「新たな証拠はいっさいない」と今回の措置に不信を抱いている。

 いずれにせよ、今回リベリとベンゼマが正式に事件の被疑者となったことで、代表入りの是非が問われることになったのはたしかだ。

 23日にはフランスサッカー連盟(FFF)の理事会が開かれ、辞意を表明したエスカレット会長の後任が選出される。暫定会長に就任すると見られるデュショソワ氏は、個人的な意見とことわりつつも、「事件の被疑者を代表に招集するのはどうかと思う。もし私が会長に選ばれれば、私なりの責任をとる」と語っており、フランス代表のブラン新監督に意見を述べる可能性が高い。FFFとしては、W杯の不祥事につづき、これ以上のイメージ低下は何としても避けたいところだろう。

 フランスが攻撃の中心となるべき2人の選手を欠いたままユーロ2012の予選を戦わなければならないとしたら、ブラン監督の船出は困難なものとならざるを得ない。