W杯で優勝したスペイン代表、そしてバルサでも核となるのがチャビやイニエスタといった中盤でボールを散らせて、ゴール前にも現れることができる選手だが、バルサのカンテラからこういった選手が現れるのは決して偶然ではない。トップから下のカテゴリーまで一貫した指導を実践しているバルサ。そのため各ポジションで下から上がってくる選手はトップチームでしっかり当てはまるように同じプレーを繰り返してきている選手ばかりだ。

 スペイン代表もバルサの7選手を中心に、他のチームの選手が足りない部分を補強することでW杯でも魅力的なサッカーを魅せたが、ヨーロッパ選手権を戦うU-19スペイン代表にもバルサから7選手が選ばれている。まさにバルサのプレースタイルがスペインのサッカースタイルとなっているのだ。その中でも特に大事な役割を果たすチャビやイニエスタタイプの選手。ティアゴ・アルカンタラ、ジョナタン・ドス・サントス、セルジ・ロベルト、マルティ・リベロラとバルサにはずらりと将来のチャビ、イニエスタが揃っている。

 ティアゴ・アルカンタラは、1994年アメリカW杯でブラジル代表として活躍したマジーニョ選手の息子。バルサBの司令塔としてトップ昇格を目指している。すでにトップデビューも果たしているジョナタン・ドス・サントスは、メキシコ代表候補にも入った逸材。チャビも認めるセルジ・ロベルトもバルサBで今シーズン大活躍を遂げた。さらにユースでFWも中盤もこなせるマルティ・リベロラ。来シーズンからはバルサBに昇格し成長を続ける。

 確立されたサッカースタイルを持つバルサ。チャビやイニエスタのようなタイプの選手を“6番的な選手”と呼ばれ、グアルディオラやセルジ・ブスケス
のような“4番的”なプレーヤーと共に特に重宝されている。はっきりした目標が目の前にあり、一貫したプレースタイルで上を目指す若い選手達。彼らの活躍が本当に将来楽しみだ。

(スペイン通信)