W杯決勝、延長戦での決勝弾。バルサでは昨シーズンCL準決勝対チェルシー戦でもイニエスタは決勝弾を決めていたが、「一つ一つゴールのシチュエーションは違うが、チェルシー戦もこの前の決勝戦も同じように嬉しかったよ。W杯を勝つのは数少ない代表しかできないこと。最高だったね」と語る。

 ゴールの後、ユニフォームを脱いだイニエスタ。ユニフォームの下には「ダニ・ハルケはいつも俺達と共にいる」と書かれたTシャツを着ていた。今シーズン開幕前エスパニョールに所属していたダニ・ハルケは、合宿中に急死していた。同じバルセロナを拠点とするライバルチームだが仲が良かった仲間の死をイニエスタは忘れていなかった。

 「いつも彼の事が頭にあってね。決勝戦でどうしてか分からないけどTシャツを着ようって思って。プエルタのことを話していたチームメイトも居て、ジョレンテがダニ・ハルケの事を言って来たんだ。最高の友人、最高の人にベストなタイミングでゴールを捧げることができた」とあのTシャツを着るきっかけを語った。

 最も大事なゴールを決めても、謙虚な姿勢は変わらないイニエスタ。そんなイニエスタに最大のライバル、エスパニョールのサポーターも次のバルセロナダービーではイニエスタにオベーションを行うと言う。ダニ・ハルケに捧げたゴールとしてイニエスタの決勝弾は、W杯の歴史に残ることになる。

(スペイン通信)