アーセナルと契約を交わしたばかりのローラン・コシエルニ(24)。デビューから6シーズンは2部と3部でプレーしたのみだったが、昨シーズン移籍したロリアンで不動のセンターバックとして活躍し、一躍注目を浴びた。186センチの長身を生かした攻撃参加も得意だ(36試合で4ゴール)。

 コシエルニはレキップ紙のインタビューに答え、アーセナルからのコンタクトは昨季のリーグ最終戦(5月15日)直後だったことを明かした。「冗談でないのはわかっていたけど、アーセナルが関心をもってくれるなんて、さすがにびっくりした。こんなチャンスはたぶん一生に一度しかないと思い、逃したくなかった」と語る。契約にこぎつけるまでに2ヶ月近くを要したのは、ロリアンが移籍金を釣り上げたためだが、焦りはなかった。

 レキップ紙によると、アーセナルはコシエルニの獲得に1250万ユーロ(約14億円)の移籍金を用意した。1部で1年しかプレーしていない選手としては破格の額で、ヴェンゲル監督の高い期待度がうかがえる。

「監督は、僕のクオリティーを評価し、僕に賭けたと言ってくれた。だからといってプレッシャーは感じないが、全力でやらなければならないのはよくわかっている。毎日、各国代表の選手と練習するのだから、進歩するはずだ。僕の経歴はちょっと変わっている。3部(トゥール。その後2部に昇格)にいたときは、ここまで上がってこれるとは想像もしていなかった。もちろんこれで終わりにはしたくない」と抱負を述べた。

 コシエルニはフランス生まれだが、両親はポーランドからの移民。昨年には同国代表をめざしてポーランドの国籍も取得していた。しかし「頭の中では自分はフランス人。フランス代表入りのことも少しは頭にある。アーセナルに来なければ、それも考えられなかった。アーセナルで活躍できれば、初代表への希望も見えてくるだろうね」と考えている。

 ちなみにレキップ紙は、フランスがW杯一次リーグで敗退して早々、新チームのセンターバックの有力候補としてこのコシエルニを挙げていた。アーセナルでもフランス代表でも“ポスト・ギャラス”の期待が高まる新星に注目だ。