宿敵のライバルR・マドリーを倒し、勝ち点12差まで広げた上、2位バレンシアとも勝ち点差8としてリーガを独走するバルサ。リーガ最大の山場とされた4連戦(セビージャ、バレンシア、R・マドリー、ビジャレアル)の内3試合を終えて無敗。しかも、すべて完封勝利と驚くべき強さを発揮している。

 数字を見てもその強さは際立っている。なんと15試合を終えて46得点をマーク。1試合平均3.06ゴールで、このペースをシーズン終了まで続けると116ゴールまで到達することが予想される。リーガ最高の得点記録としては1989-90シーズン、トシャック監督率いるR・マドリーが107ゴールを記録しているが、その当時は15節終了時点で43ゴールと現在のバルサの記録よりも3ゴール少ない。となると、バルサが今シーズン記録を大きく塗り替える可能性は大いにあると言えるだろう。

 ゴールラッシュの立役者となっているのがエースのエトー。14試合出場で15ゴールをマークし、得点王争いトップに立っている。2005-06シーズン以来の得点王“ピチチ”がかかり、ビジャとの争いは見ものである。バルサの強さは攻撃力だけではない。守備に関しても今シーズンは非常に安定している。15試合で9失点という記録は、GKビクトル・バルデスを中心とする堅守が光っている証拠である。

 これに加え、今シーズンのバルサは精神面も強化されている。ゴールを量産しようと、試合の流れが悪くとも気を抜くことが全くない。ベンチに座るグアルディオラ監督は、テクニカルエリアいっぱいまで出て常に選手に高い要求をし、それに応えるように選手は攻守の切り替えを素早くし、高い位置でボールを奪い相手にスペースを与えていないのだ。

 この戦い方を今後も続けることができればR・マドリーのシュスター前監督が公言したように、今シーズンはバルサの年となるだろう。冬の休止が終われば怪我のイニエスタ、ガブリエル・ミリートも復帰し、さらに戦力を増す。今シーズン、バルサがいくつのタイトル奪取をするか楽しみである。

(スペイン通信)