リーグ・アンの“天王山”となるリヨン対マルセイユ戦を2日後に控えた12日、リヨンのエース、カリム・ベンゼマがレキップ紙のインタビューに答えている。

 今季からマルセイユに移籍した元チームメイト、ハテム・ベン・アルファが前日のリヨン地方紙ル・プログレに「ベンゼマは友達じゃない」と発言したことについて、ベンゼマは「大一番の前だから、僕たち2人のことがあれこれ書かれても不思議じゃない。僕たちはいっしょに育ってきたし、小さなエピソードはいくつもある。でもどれも深刻なことじゃない。みんなはまるで僕たちが敵同士のように言うけど、そんなことはない」と、再会のときには「他の選手と同じように」握手を交わすつもりだと語った。

 ベン・アルファがベンゼマのことを「友達じゃない」と語ったのも、記者の問いに正直に答えただけで、挑発の意図があるわけではなさそうだ。メディアがことさらこの発言だけを強調し、それに続く「でも、選手として尊敬している。とてもいい選手だ」と語っていたのを意図的にぼかしているところがある。

 ベンゼマも「彼(ベン・アルファ)が偉大なキャリアを築くよう望んでいる」と語るなど、周囲の騒ぎを意に介していない態度を保っている。マルセイユに移ってから期待通りの活躍ができず言動に焦りを感じさせるベン・アルファと対照的に、リーグ・アンで9得点(2位)、チャンピオンズリーグで5得点(1位)と確実に結果を出してきたベンゼマの余裕が見てとれる。

 リヨンのピュエル監督も、「発言の影響はリヨンよりもベン・アルファ自身に及ぶリスクのほうが大きいだろう。我々にとっていちばん重要なのはマルセイユを倒すこと。ベン・アルファと戦うわけじゃない」とベン・アルファ発言で騒ぐメディアの反応を受け流し、試合に集中する姿勢に終始している。