8ゴールでリーグ・アンの得点ランキング首位に立ち、2年連続の得点王を狙うカリム・ベンゼマ(リヨン)がレキップTVのインタビューに答えている。

 今シーズンはこれまで13試合すべてに出場しているものの、先発は9試合、プレー時間は66分と“省エネ”起用になっている。多くの選手をバランスよく使うピュエル新監督の戦略ゆえだが、「たしかに控えに回るとフラストレーションはある。つねに試合に最初から出たい。でもほかの選手も同じ気持ちだろう。大事な試合にはすべてスタメンで使ってもらっている」と納得しているようだ。

 フランス代表での活躍が十分でないという批判もあるが、これについては、「20歳の若手が試合の半分で結果を出せなかったからといって、将来の不安をとやかく言われるのは心外だ。人が僕のレベルをどうこう言うのには、苛立ちを感じる。僕が代表のレベルでない、などと言われる理由がわからない。それは僕が年齢と比べて進んでいるせいだとも言える。まるで28歳の選手に対するような批判ばかりだからだ」と大きすぎる期待に首をかしげた。

 並外れた期待の大きさは、リヨンのオラス会長が口にする「1億ユーロ」(およそ123億円)という前代未聞の移籍金にも表れている。移籍のタイミングについては、「今シーズンを終えてみないとわからない。自分なりの計画はあるが、いつリヨンを出るかは考えていない」と語った。

 「スペインが好き」と口にするベンゼマ。来季のリーガ入りが取り沙汰されているが、「クラブはたくさんある」とバルセロナ、レアル・マドリーのほかに、マンチェスター・ユナイテッドとACミランの名前を挙げた。「マンチェスターやミランでも大きな成長ができる。僕は非常に高いレベルまで成長したい。そうすれば世界の頂点にのぼりつめられる。また別のクラブへと出発する準備にもなるだろう」と語っており、20歳の若者の「計画」の中には、マンUやACミランをステップに、最終的にバルサやレアルにたどりつく、という選択肢があることをうかがわせた。