アーセナルのアーセン・ベンゲル監督は、現在プレミアリーグで最下位に沈むトッテナムについてコメント。低迷の原因を作ったとして、スポーティング・ディレクターのダミアン・コモリが近日中に解任されるとの報道に、「スケープゴートだ」と語っている。

 シーズン開幕後、8試合を戦い、いまだ勝ち星のないトッテナム。獲得した勝点はわずか2で、リーグ最下位に沈んでいる。この状況にトッテナムのオーナーを務めるダニエル・レビィは、指揮官のファンデ・ラモスではなく、スポーティング・ディレクターを務めるコモリの解任を示唆している。

 この報道を聞いたベンゲルは、かつてアーセナルのスカウトを務めていたコモリに責任を負わせるトッテナム側の動きを、「スケープゴートだ」と指摘。しかし、「フットボール界ではやむを得ないこと」と語りながらも、トッテナムの低迷がコモリだけにあるわけではないと語っている。

「私がダミアンをアーセナルに連れてきたのは、彼が良いスカウトだったからだ。しかし、我々が働くフットボール界というのは、いつでもスケープゴートが探されている業界なんだ。だから、我々はいつも責任を負う立場であり、自分に責任の無いことにまで罪を問われる。トッテナムの状況については、私には何とも言えない。フットボールというのは本当に不思議で、どんな優れた選手でも自信を失えば、すぐに平均的な選手へと成り下がってしまうんだ。トッテナムは良いチームだと思うし、いずれ盛り返してくるはずだとは思うけどね」

 ノースロンドンのライバルクラブの現状について言及したベンゲル。「低迷している時は、外からのバッシングに耐えなければならない」と語った知将は、かつて自身が才能を見出したコモリの窮状に心を痛めているようだった。