毎年度、リーグの開幕直前に行なわれる公式戦第1戦「トロフェ・デ・シャンピオン」(チャンピオンズ・トロフィー)が2日、リヨンとボルドーの間で争われ、PK戦の末、ボルドーがリヨンを下した。

 チャンピオンズ・トロフィーには、前年度のリーグ優勝チームとフランス杯の勝者が出場する。昨シーズンはリヨンが二冠を達成したため、リーグ2位のボルドーが対戦相手となった。リヨンはリーグ初制覇を遂げた2002年以来の7連覇を阻まれた。

 主力の多くをケガで欠くリヨンは、とくに中盤のアグレッシブさ、ボール回しの速さでボルドーに見劣りがした。

 ただひとり、各メディアを刮目させたのが、今季からリヨンのゴールを守るユーゴ・ロリス(21)。再三のスーパーセーブで相手の得点を阻んだうえ、PK戦でも2本止めている。

 元レキップ紙の記者で、辛口が売りの解説者ピエール・メネス氏も「宇宙人」と舌を巻いた。普通なら誰もがパンチングで逃れるようなボールもガッチリとキャッチする技術をもつロリスに、「このペースで行けば、そのうち世界一のGKになるだろう」と期待している。

 ロリスは昨シーズン、ニースで37試合に出場し29失点。1試合あたりの失点は0.783でリーグ最少だった。たとえばフランス代表で昨季までリヨンの守護神だったグレゴリー・クペは、19試合で21失点(1試合あたり1.105)。数字だけを見ると違いは歴然だ。8連覇がかかる今シーズンは、ライバルとなるボルドーとマルセイユが大幅に戦力を増強してきたため苦戦が予想されるが、最大の武器がこの21歳の新守護神となることは間違いなさそうだ。