ロナウジーニョのミラン移籍は、一選手が単に所属クラブを変えたのとはワケがちがう。

 16日、バルセロナでの難交渉を終えた後、クラブ本部に戻ったミラン副会長アドリアーノ・ガリアーニは、マーチャンダイジング部門の責任者に加え、テクニカル・スポンサーであるアディダスの担当責任者アンドレア・ギリアッツァへ緊急招集をかけた。17日夜にサンシーロで行うロナウジーニョお披露目セレモニー、そして今後の関連商品展開戦略を練らせるためだ。ギリアッツァは喜びを隠さずに言う。

 「世界中のメディアが集う入団セレモニーで、ロナウジーニョにわれわれのボールでリフティングしてもらい、そしてそのままサポーター席へ蹴りこんでもらおうと考えています。彼の持つイメージ訴求価値に値段はつけられない。すでに、彼のネーム入りユニフォームの在庫準備に取りかかっていますよ」

 これに対し、ロナウジーニョのパーソナル・スポンサーであるナイキ側は「ユニフォーム売上競争において、彼は向こうさん(=アディダス)が手に入れた超強力兵器ですよ」と脅威を認めた。

 ニールセン・ネットレーティング社の調査において、それは実証された。16日、同社が調査したわずか45分の間に、1着70ユーロ(約11500円)するミランのユニフォームが280枚も売れた。ちなみに、最も売れるホーム用の赤・黒バージョンの今季分は、まだ発表されていない。