ミランの2008-09年シーズン初動日となった16日、ミラネッロ練習場に姿を見せたロナウジーニョ。「ミランの一員になれて嬉しい」と、つめかけた4000人のサポーターの大声援に応えたが、一方で危機感を露わにした者もいる。ロナウジーニョ加入によってポジションを脅かされる選手たちだ。

 昨季派手なセリエAデビューを飾ったFWパロスキは、現在U19イタリア代表としてチェコで行われている欧州選手権の最中。ホテルのPCでロナウジーニョ獲得の一報を目にした瞬間、初めは冗談だと思ったらしい。しかし、すぐに現実だとわかるとクレバーに頭を切りかえた。

 「これでいい。もっとプレーできるよう他チームへ出してほしいと願っていたのは僕自身だから」

 将来有望なパロスキ獲得に最も近いところにいるのは、中村俊輔の古巣レッジーナである。

 アンチェロッティ監督の代名詞「4-3-2-1」の構想上、2列目まではパト、カカー、ロナウジーニョの“夢のブラジル・トリオ”で決まりだ。3列目はガットゥーゾ、ピルロ、そしてこれまた新加入のフラミニ。となると、あぶれるのは背番号10をつけたセードルフ。自己主張の強い性格だけに早くから「ロナウジーニョが来ても、10番を渡す気はない」と豪語していた。16日、練習初日だというのにミニゲームで最初のゴールを奪ったあたり、彼の意地が見える。

 長く固定メンバーで戦ってきたミラン。ロナウジーニョの加入によって、早くもチーム内に化学反応が起き始めている。