不信任投票ではわずか37.75%の信任しか得られず、10日に行われた役員会議では3人の副会長を始めとする8人の役員たちが「不信任案投票後の運営方針における意見の相違」を理由に辞任、と異常事態が起きているバルセロナ。窮地に追い込まれているラポルタ会長だが、この窮地を脱する解決策としてヨハン・クライフ氏に頼るつもりであるようだ。同会長の考えはクライフ氏をスポーツ・ディレクター職として招き入れることだ。

 クライフ氏を招き入れるという新たな策略でバルサファンの気持ちを沈めようと考えるラポルタ会長。続投を決意しているラポルタ会長だが、自らの進退を9月に開催されるソシオ総会に委ねると発表していることから、このソシオ総会を視野に入れてのものだろう。“ドリームチーム”を率い、バルセロナに栄光をもたらしたクライフ氏の発言力は大きく、影響力を持つ一人と言われており、ラポルタ会長がクライフ氏を切り札的存在として頼ろうとするのも無理もないのかもしれない。

 新シーズンに向けて14日からトップチームは始動する。プレシーズンが始まる大事な時期のクラブのお家騒動でチーム外の平穏さは失われている。ソシオの信頼を失ったラポルタ会長。クライフ氏はラポルタ会長の救世主となるのか?いずれにしても、9月のソシオ総会までこの混乱は続くことになりそうだ。

(スペイン通信)