ユーロ2008で1勝もあげられずに決勝トーナメント進出を逸したフランス代表ドメネク監督の進退が、3日に開かれるフランス・サッカー連盟(FFF)の理事会で決まる。

 ピレス、ジュリ(この2人はドメネク監督に“外された”ことで有名)、ジダンなど過去の代表メンバーがディディエ・デシャンへの交代を支持しているのに対し、ヴィエラ、リベリ、サニョル、ゴヴーら現役組は、ドメネク監督の続投に前向きな発言をしている。

 さらに、理事会開催の2日前というタイミングで、ドメネク監督の強力な支持者が現れた。UEFA会長のミッシェル・プラティニ氏だ。会長は1日付のレキップ紙のインタビューに答え、「ドメネク監督を擁護するために言うのではないが」と前置きしつつも、「2010年W杯の予選突破には、彼がもっとも適している。連盟や各団体のことを理解し、現在の選手たち、将来の若手たちをもっともよく知っているのは彼だからだ」と語っている。

 また、次期監督候補の筆頭に挙げられるデシャン、ローラン・ブラン(現ボルドー監督)については、「解決策にはなり得る。しかし“いま”ではない」と現時点での起用には否定的な考えを示した。

 プラティニUEFA会長は、国民がドメネク監督に必ずしもよい印象をもっていないことを知っているが、「人々がドメネク監督に表面から下している判断はたしかにひどい。この点は連盟にも責任がある。フランス代表のイメージもよくない。しかしこれは監督によって決まるものではない」とドメネク監督の肩をもつ。

 なおFFFのエスカレット会長は、理事会の決定が「世論に左右されない」ことを明言している。

 ちなみに同紙に掲載されたアンケート(IFOP調べ)によると、ドメネク監督の解任を望む回答は52%。敗退直後にさまざまなインターネットで実施された調査で6〜8割が辞任を求めていたのに比べると、ドメネク監督にやや“甘い”結果となった。監督の進退決定を敗退の2週間後に延ばしたのは、世論を意識した“冷却作戦”との見方があるが、もしそうだとすれば、作戦は功を奏しつつあるのかも知れない。