1984年ユーロ・フランス大会の決勝戦でミシェル・プラティニ擁するフランス代表の前に涙を飲んだスペイン代表が24年ぶりにユーロ決勝の晴れ舞台に立つ。2度目となるユーロ優勝まであと一つ、ドイツを倒すだけとなった。

 今大会、5戦5勝と無敗で決勝までコマを進めたスペイン代表だが、今大会で大活躍を見せ、得点ランキングトップ(4得点)に立つFWビージャが26日のロシアとの準決勝でFKを蹴った際、右足大腿骨二頭筋を負傷し、決勝は欠場という不運に見舞われた。このためアラゴネス監督はGK:カシージャス、DF:セルヒオ・ラモス、プジョール、マルチェナ、カプデビーラ、MF:セナ、イニエスタ、チャビ、セスク、シルバ、FW:トーレスの4-1-4-1システムでドイツとの決戦に挑むことになりそうだ。

 過去の直接対決ではスペイン代表の5勝、ドイツ代表の8勝、引き分けは6回とドイツ代表が上回っており、国際舞台でスペイン代表がドイツ代表を倒したのは、1984年のユーロだけ。データ上ではドイツに歩があるが、44年ぶりの優勝、新たな歴史を作るというビッグチャンスを前にスペイン代表の新世代は“国際舞台に弱いスペイン”というイメージの払拭に鼻息も荒い。

 ドイツ代表はキャプテンのバラックが右ふくらはぎの筋肉を痛め、出場が危ぶまれているというのもスペイン代表にとって好材料。スペイン代表がドイツ代表に勝った場合、1984年のユーロで5戦5勝で完全優勝したフランス代表を上回り、1984年以降のユーロ最強のチームとして歴史に名を刻むことにもなる。スペイン国民の期待とともにスペイン代表は“ユーロ完全優勝”を目指す。

(スペイン通信)