19日のユーロ2008準々決勝でドイツに敗れたポルトガル代表が、プレミアリーグのチェルシーに対して抗議を行なっている。大会中にも関わらず、新監督にルイス・フェリペ・スコラーリが就任したとチェルシーが発表したことに、ポルトガル・サッカー協会のジウベルト・マダイル会長は憤慨している。

 チェルシーがスコラーリの次期監督就任を発表したのは6月11日。ポルトガル代表の指揮官として決勝トーナメント進出を決めた直後だった。その後、ポルトガルはグループリーグ最終戦のスイス戦と準々決勝のドイツ戦に連敗し、大会から姿を消している。

チェルシー側の発表について、マダイル会長は「最悪のタイミングだった」とコメント。事前の連絡もなかったとし、怒りを隠せない。

「チェルシー側の発表は最悪のタイミングだった。スコラーリにとっても本意ではなかったと聞いている。彼がチェルシーのようなクラブの監督に就任することは何も驚くことではない。彼は素晴らしい監督なのだから。しかし、そのタイミングには驚かされた。チェルシーは事前に我々に知らせるべきだったし、もっといいタイミングを選ぶこともできたはずだ」

 優勝候補にも挙げられながら、ベスト8で姿を消したポルトガル。その敗因を担ったとして、マダイル会長はチェルシーを糾弾し、さらに「スコラーリには監督を続けてもらいたかったが、環境を変えたいようだった。そもそも、チェルシーのオファーに我々が対抗することなど不可能だ…」と語った。チェルシーが誇る資金力は、一国のサッカー協会にも恐れられる存在のようだ。