今オフの去就が注目を集めるアストン・ビラのガレス・バリーを巡り、大型トレードが成立することになりそうだ。リバプールから受けたバリー獲得オファーを拒み続けていたアストン・ビラのマーティン・オニール監督が態度を軟化。移籍金プラスFWピーター・クラウチの条件を逆提案しているようだ。

 リバプールから1000万ポンド(約21億円)のオファーを受けたオニール監督は、「評価が低すぎる」としてこれを一蹴。アストン・ビラ生え抜きの27歳を放出する意思はないと明言していた。しかし、チャンピオンズ・リーグでのプレーを望むバリーは、リバプール移籍に気持ちが傾いていることを示唆。アストン・ビラ側の契約延長オファーへのサインを固辞し、自身の去就について「出来るだけ早く解決したい」と明言していた。

 この状況に、オニールはバリー流出のダメージを最小限に抑えるべく、“選手プラス移籍金”のオファーを逆提示。バリーの移籍金を1500万ポンド(約31億円)と設定するオニールは、移籍金800万ポンド(約16億円)に加え、イングランド代表FWクラウチを交換要員に指名した。

 しかし、クラウチの放出について、すでにポーツマスと交渉を進めているリバプールは、その移籍金額を1500万ポンドに設定。クラウチを700万ポンド(約14億円)と見積もるオニールの設定金額とは大きな開きがある。それでもバリーの獲得に固執するリバプールのラファエル・ベニテス監督は、オニールの提案を真剣に検討し始めた様子。ユベントス移籍が間近と言われるMFシャビ・アロンソの移籍金を、バリー獲得資金として費やす見通しを立てているようだ。

 生え抜きで現在はキャプテンも務めるバリーの移籍に対し、譲歩の態度を見せ始めたオニール。クラブの象徴とも言える選手が移籍すればサポーターの不満を生みかねないが、クラウチの獲得で批判を最小限に抑えたい考えのようだ。リバプールの出方次第では、今オフ注目の大型トレードが近日中にも成立する可能性がありそうだ。