昨年12月、レキップ・マガジンが、ユーロ2008開催直前にフランスでジネディーヌ・ジダンの伝記が大手出版社のフラマリオンから発売される予定だと報じた。これまで出版された“ジダン本”とは異なり、ジダンの人物像、キャリア、ビジネスの暗部、さらにはドーピング疑惑に迫る「攻撃的な」ものになると伝えられた。

 29日発売の週刊誌「レクスプレス」によると、この“暴露本”が当初予定されていた5月23日には出版されず、9月24日にずれ込むことになった。その原因は、原稿が盗難にあったためだという。盗難は相次いで2度にわたり、4月1日には編集担当者の家が、4日には著者の家が被害にあった。修正メモや、原稿のほぼすべてが収められた2台のノートパソコンが盗まれた。警察の調べでは、現場から指紋がいっさい検出されておらず、“プロ”の犯行と見られている。

 著者はレクスプレス誌の記者として、政界の裏側やイスラム社会の問題に取り組んできたベスマ・ラウリ氏。出版計画を後になって知らされたジダン本人は、著者に会うのを拒んでいる模様だ。