セリエAへの昇格争いが今年も佳境を迎えている。先週末のセリエB第41節で、キエーヴォが2位以上を確定させ、昨季の降格から1年でA復帰を決めた。残る2枠は2位までが直接昇格、3〜6位の4チームによるプレイオフによってもう1チームが決まる。キエーヴォ以外の来季A昇格は、ボローニャ、レッチェ、アルビノレッフェ、ブレッシャ、ピサに絞られた。

 セリエAからC2まで4部構成になっているイタリアのプロリーグ・ピラミッドで、最も多くの昇格を果たした監督は誰だろうか。

 1968年から40年来、最高の昇格請負人とされているのは、ジジ・シモーニとオズヴァルド・ヤコーニである。それぞれ8回も上位リーグへと引き上げている。
 シモーニは1976年のジェノアを皮切りに、計7回のセリエA昇格(ジェノア2回、ピサ2回、ブレッシャ・クレモネーゼ・アンコーナ各1回)を決めている。ヤコーニの昇格はすべてC1(3部)とC2(4部)に限られているがセリエCのスペシャリストということもできる。彼らに続くのは7回昇格(A5回、B2回)のネド・ソネッティ。他に6回が3人、5回が8人いる。

 彼らの中でトップチームの指揮をとったことがあるといえるのは、シモーニ(元インテル)とデル・ネーリ(元ローマ)だけだ。監督としてのキャリアを駆け上がる過程では、“エレベーター・チームのエキスパート”という肩書は一年でも早く捨てるべきなのだろう。