米グーグル(Google)は、Epic Gamesの要求に基づき、米国の裁判所がAndroidおよびGoogle Playに対する変更を命じたことに対して、判決を不服として控訴する意向を示した。

 「フォートナイト」などを提供するEpic Gamesは、GoogleがAndroidとGoogle Playにおける独占的な地位を乱用して競争を阻害していると訴え、Google Playストア以外からのアプリダウンロードを許可するように求めていた。

 これに対してGoogleは、これらの変更が消費者のプライバシーとセキュリティを危険にさらし、開発者がアプリを宣伝することを難しくし、デバイスの競争力を低下させると主張している。

 さらに、今回の変更はEpic Gamesを満足させると思われるが、米国の消費者、開発者、デバイスメーカーに悪影響を及ぼす可能性があると警告している。

 Googleは、iOSと異なりAndroidは複数のアプリストアや、サイトローディングのような選択肢を常に許容してきた、オープンなプラットフォームであると主張し、裁判所の判決を不服として控訴し、Epicが要求している変更を一時停止するように裁判を起こす予定という。

Googleの主張

 今回の判決は、Android自体がひとつの市場であるという、誤った認定に基づいて行われている。これと対照的に、控訴審で支持されたAppleの判決では、AndroidとiOSが同じ市場で競争していると判断している。サムスンやモトローラなどが製造するAndroidスマートフォンのすぐ隣で、AppleのiPhoneが並べられ競合しており、消費者は価格や品質、セキュリティなどの要素からスマートフォンを選択している。

 2点目に、アプリ開発者のリソースには限りがあり、各プラットフォーム向けアプリの構築やアップデートにどれだけの時間と資金を割り当てるかを判断しなければならない。どんなビジネスでも同じだが、Googleは開発者が最高の機能を最初に競合プラットフォームに先んじてAndroidで提供することを望んでいる。そのためのツールを提供し、トレーニングプログラムを実施し、Android向けの開発ができるだけ簡単になるように投資している。当然ながらAppleも同様に、iOSを優先するように開発者に説得している。

 3点目に、Androidはオープンなプラットフォームであり、Google Play以外にもアプリを入手する方法があるという事実を、今回の判決は軽視している。実際、ほとんどのAndroidデバイスには、消費者が手に取る時点で2つ以上のアプリストアがプリセットされている。また、開発者はWebサイトからユーザーにアプリを直接提供するなどの選択肢もある。

 たとえば、Epic Gamesの「Fortnite」アプリはサムスンの「Galaxy Store」や、Epic自身の「Epic Games Store」を通じてAndroidユーザーに提供している。これらの選択肢は、iOSでは提供できない。