サウジPIFがDAZN出資検討、10%株式を10億ドルで取得案

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Amy-Jo Crowley Elvira Pollina

[ロンドン 7日 ロイター] - サウジアラビアの政府系ファンド、パブリック・インベストメント・ファンド(PIF)が、資産家のレン・ブラバトニクが出資しているスポーツ専門動画配信サービス「DAZN(ダゾーン)」の運営会社の約10%の株式を約10億ドルで購入することを検討していることが分かった。事情に詳しい2人の関係者が明らかにした。

ただ、関係者の1人はPIFとDAZNの協議は昨年終盤から続いているものの進展を見せていないと説明し、出資が実現するかどうかは確実ではないと指摘した。

DAZNの2022年通期決算は料金を値上げしたことで収入が前期比41%増の21億ドルとなったが、放映権料の増加が響いて営業損益は10億6000万ドルの赤字に陥った。ブルームバーグは、放映権料がかさむ中でDAZNが最大10億ドルの資金調達に向けてアドバイザーと昨年12月に協議していたと報じている。

ロンドンに拠点を置くDAZNは、欧州のサッカー1部リーグであるイタリアのセリエA、スペインのリーガ・エスパニョーラ、ドイツのブンデスリーガ、フランスのリーグ・アンのそれぞれの放映権を持っている。

PIFはサウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子が会長を務めている。サッカーのイングランド・プレミアリーグのニューカッスルや、ポルトガル代表のクリスティアノ・ロナウド選手を擁するアルナスル(サウジ)などを所有するコンソーシアムにも加わっている。

事情を知る1人は、DAZNはここ数カ月間に少なくとも3つの投資ファンドとの間でさまざまな戦略的提携を巡って協議しており、ディールの価値全体で100億─120億ドルに相当すると説明している。

PIF、DAZNはともにコメントを差し控えた。