ドラフト候補の神村学園・正林輝大 木製バットで京都国際の左腕エースから二塁打「まさかあんなに…」故郷の観衆に感謝【佐賀国民スポーツ大会・高校野球硬式】
◆国民スポーツ大会・高校野球（硬式）1回戦 京都国際8―3神村学園（6日・県立森林公園）
今夏の甲子園で2年連続4強入りした神村学園（鹿児島）は甲子園の優勝チーム京都国際に敗れ初戦敗退となった。2年から4番に座ってきた4番正林輝大（3年）は3打数1安打1四球。高校野球生活を故郷の佐賀で締めくくった。
大会を通じて2本しか柵越えの本塁打が出なかった今春のセンバツでアーチを描いた強打者は、木製バットで相手のエース中崎琉生（3年）から左中間を破る二塁打を放ち得点につなげた。「低反発のバットを使ってきたので木製でも抵抗はない」と木製の感触にもだいぶ慣れてきた。
第1打席に入る前にはスタンド全体から大きな拍手が湧き起こった。「まさかあんなに拍手をもらえるとは思っていなかったのでうれしかった」と中学まで育ってきた地元佐賀の温かさを感じた。
夏の大会が終わるとプロ志望届を提出した。プロを目指して故郷を離れ、神村学園進学を決めた。入学時の気持ちは最後までぶれなかった。最初はプロ志望に難色を示していた両親も、昨夏の甲子園後、進路について指導者と面談する時に「今しかできないことだから、やってみたら」と挑戦を後押ししてくれた。
今春の選抜大会後は高校日本代表候補の合宿に参加。春の九州大会後は自打球を当てた右足のけがが悪化して自宅に帰るなど練習できない時期もあったが、夏の大会は昨夏と変わらず4番としてチームの支柱となり甲子園4強まで勝ち進んだ。「きついことの方が多かったけど、きついことを乗り越えていい3年間だったと思います」と高校野球に悔いはない。
あとは24日のドラフト会議で指名を待つだけ。「やるべきことはやったので楽しみに待ちたいです」と正林は笑みを見せた。（前田泰子）
