「空中ブランコ編」はロサンゼルスで撮影。実際にサーカスで使用されるのと同じ高さのセットが用意された。揺れる空中ブランコからジャンプし、別の空中ブランコで足掛け逆さ吊りして待つプロに空中キャッチしてもらう大技に挑戦だ。

「高い場所はもともと苦手だったんですが、一日中、登っては落ち、登っては落ちを繰り返していくうちに慣れました。慣れるものですね(笑)。手のひらの皮が全部剝けちゃって、頭を洗うこともできず、メイクさんに洗ってもらいました。ご褒美にロスのディズニーランドに行けたのは、いい思い出でした」

さて、シリーズはラストの4作目の撮影になると、ついに過酷なチャレンジ編から一転。大好きな「これぞポカリスエット!」という「フレンズ編」が誕生する。

「自分が見てきた過去のCMに近いなぁって思いました。ラベルのブルーと白が似合う世界観。すごく好きな内容でしたね」

それまではずっと1人でのチャレンジだっただけに、共演する同世代の仲間たちがいることに喜びを感じた。とにかく、撮影を待つ空き時間までもが楽しかったという。

「お芝居自体はまったく初めてではなかったんですが、その場の空気感を大切にして丁寧に時間をかけて撮影してもらったことを覚えています。みんなで共有していた、楽しい時間がそのまま画面に映っていたと思います。当時、現実では学校と仕事の両立が大変でしたから、学校帰りにみんなと海を見に行ったりするような、憧れの学生生活をCMで経験させてもらえ、『THEポカリスエット』という世界でした」

あれから早28年─。今でも中山とポカリスエットは切っても切れない関係のようだ。

「ポカリは家に必ずストックして、日常で愛飲していますし、防災品として粉末だって常備しているんですよ。子供が体調を崩せば飲ませますけど、病院に行けば、先生が固有名詞を出して『ポカリスエットなどで水分補給をしてください』っておっしゃいますもんね。スポーツドリンクとして優秀なんだなって、改めて偉大さを感じる瞬間です」

そんなポカリ同様に、彼女も息の長い活躍を続けている。

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