豪で「つながらない権利」認める法律、勤務時間外の連絡無視可能に

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Lewis Jackson

[シドニー 26日 ロイター] - オーストラリアで26日、勤務時間外に勤務先から電子メールや電話などで連絡があっても無視する「つながらない権利」を認める新たな法律が施行された。一部の例外を除き、労働者は勤務先からの勤務時間外の連絡に対応しなくても罰せられることはなくなる。

緊急事態を抱える職種や、勤務時間がそもそも不規則な職種に対応するため、新たな法律は雇用主が労働者に連絡を取ることを引き続き認めており、労働者は合理的な理由がある場合にのみ連絡に応じないことが認められている。

連絡を無視したことが合理的であるかどうかは、労使裁定機関のフェアワーク委員会(FWC)が、従業員の職場での役割、個人的な事情、連絡の方法などを考慮して判断する。

賛成派は新法の施行で仕事関連の電子メールや電話が個人の生活を侵すことに対して労働者が断固とした姿勢を採ることができるようになると主張している。新型コロナウイルスパンデミックで家庭と職場の区別が曖昧になったことで、こうした流れは加速している。

一方、雇用者団体は、新法の適用の仕方が曖昧で、雇用主と労働者の双方に混乱をもたらすと主張。職務が柔軟性を失い、経済に影響が及ぶと訴えている。