樋口日奈(撮影:池村隆司)

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 元乃木坂46の樋口日奈が、毎週水曜24時よりBSテレ東で放送中のDRAMA ADDICT『初恋不倫~この恋を初恋と呼んでいいですか~』で、連続ドラマ初主演を務めている。樋口が演じるのは、夫の不倫をきっかけに自身も隣人に恋心を抱いてしまうようになる人妻・穂波。グループ卒業後、着々と女優としてのキャリアを積んできた樋口に、“初恋不倫”に走ってしまう穂波に共感する部分や、自身の初恋のエピソード、また先輩女優にかけられて印象に残っている言葉などをたっぷり語ってもらった。

参考:元乃木坂46 樋口日奈、『初恋不倫』で連続ドラマ初主演 共演に芳村宗治郎、佐伯大地ら

ーー連続ドラマ初主演の心境はいかがですか?

樋口日奈(以下、樋口):いつか主演を任せていただけるようになりたいと思っていて、そこに向かって頑張ってきたので、決まったときは嬉しかったです。ただ、ちょっぴり不安もありました。

ーー既婚者を演じるのも初めてですよね?

樋口:そうなんです。しかも、実年齢より上の役を演じることも初めてです。なので、とにかく等身大にならないように気をつけています。あとは、26歳の私と31歳の穂波では、浮気に対する捉え方も変わってきたりすると思うので、そのあたりも想像を膨らませながら演じています。

ーー具体的にはどのように?

樋口:たとえば、26歳の私だったらと想像したとき、裏切られた時点ですぐにお別れしてしまうかもしれないけれど、穂波の年齢でしかも結婚をしていたら、ひとつの裏切りですぐに離れることはできないかもしれないなぁ……とか。

ーー穂波に共感する部分はありますか?

樋口:原作を読んでいて、すごく応援したいと思いました。もちろん、不倫はダメなことだけど、信じていた人に裏切られたとき、優しくしてもらったら甘えたくもなるのかなって。

ーー俊一(芳村宗治郎)と時松(佐伯大地)は、まったくタイプが違う男性でもありますしね。

樋口:そうなんです。俊一には居心地の良さを感じているので、時松さんへのときめきが、穂波にとっての“初恋”になってくるんだと思います。なかなか肯定しづらい題材ではありますが、登場人物それぞれに共感できる部分もあると思うので、楽しんでいただけたら嬉しいです。

ーー穂波は夫の不倫を問い詰めていましたが、樋口さんだったらどうしますか?

樋口:もし、そういう状況になったとしたら、聞きたいですね。「一緒に分析しよう」って。

ーー分析ですか……!?

樋口:はい。シンプルに、どうして不倫をしてしまったのか? どういう人を好きになったのか? 実際にそういう経験をしたら変わるのかもしれないけど、やっぱり話し合いたいなと。それこそ、このドラマを通して、絶対にこの先もずっと一緒にいるという確約はなかったり、人の愛情に絶対なんてなかったり……始めから決めつけられることってないんだなと感じました。

ーーというと?

樋口:ちょっと前までの私は愛情の絶対を信じていたし、絶対を絶対にするための努力をしようよと思っていて。でも、決めつけられることはできないんだなと感じたから、その都度話し合いたいなと思うようになりました。

ーー主演として、現場で気をつけていることはありますか?

樋口:ドラマの撮影は、スタッフさんも含めてひとつのチームなので、みなさんのお名前はもちろん、あだ名からどんな方なのかまで、いち早く覚えました。今回は主演ということで、より一層アンテナを張るようにしています。みなさん穏やかで、年が近い方が多いのでありがたいです。

ーー共演者のみなさんとの関係はどうですか?

樋口:ドラマではたくさんのキャラクターが出てきますが、現場ではほとんど顔を合わせることがなくて。私は、俊一と時松さんとのシーンが多いので、俊一の不倫相手の環奈(北村優衣)ともまだご一緒していないんです。そこが、このドラマの面白いところですよね。俊一が不倫相手の前でどんな行動をしているのか、私も知らないので、ドラマを観てショックを受けるかもしれません。

ーー芳村宗治郎さんと佐伯大地さんとはよくお話をされるんですか?

樋口:宗治郎くんとは同い年で誕生日が1日違いなんです。なので、最初からすごく親近感がありました。今のところは、穂波と俊一の和やかな場面しか撮影していないので、仲良く撮影していますが、険悪なシーンが多くなってくるとどうなるのか心配です(笑)。佐伯さんは、1日目からたくさん話しかけてくださったのでありがたかったです。原作の時松さんはクールで無口ですけど、佐伯さんは明るくて太陽のような方です。

ーー乃木坂46のときから大人っぽいイメージがありましたが、さらに大人な樋口さんが見られそうですね。

樋口:そうだったら嬉しいです。 

ーーグループを卒業されてから、順調に女優としてステップアップされている印象があります。

樋口:まわりにも恵まれていて、本当にありがたいです。前までは絶対に失敗しちゃいけないと思っていましたが、最近は失敗してもいいやと思えるようになりました。

ーー何かきっかけがあったんですか?

樋口:以前別のドラマで共演させていただいた有森也実さんに、「何事も栄養だと思いなさい」と言われたことです。やっぱり、素敵な役者さんはお話をお聞きするといろいろな経験をされているんですよね。何か失敗をしてもアウトプットをするときに役立つと思ったら、怖いものはなくなるなと思います。

ーー素敵な言葉ですね。今回、主演というひとつの夢を叶えられましたが、その先の目標はありますか?

樋口:最後のエンドロールを見て「この役、樋口だったんだ」と思ってもらえるくらい、役の色に染まっていけたらいいなと思っていて。グループ時代の積み重ねがあるからこその自分ではありますが、役で知ってもらったあとに興味を持っていただけるようになりたいという気持ちがあります。そうなれるよう人生経験を積んでいきたいです。

ーー最後に、樋口さんの“初恋”の思い出を教えてください。

樋口:初恋はピュアでした(笑)。記憶のなかに残っているのは小学生のときで、お手紙交換とかしてました。初恋だから美化している部分もあるかもしれないけど、素敵な思い出でしたね。やっぱりみんないちばん初めに恋心を抱いた経験って忘れられないんだと思います。

(取材=宮川翔/文=菜本かな)