なでしこジャパンはパリ五輪で初の金メダル獲得なるか。写真:梅月智史(サッカーダイジェスト写真部)

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 なでしこジャパンは今夏、悲願の金メダル獲得を目ざしてパリ五輪に臨む。

 女子サッカー界では五輪の出場に年齢制限がないため、同じく4年に一度のワールドカップ(W杯)と合わせ、A代表が世界一を懸けて戦う大会が2つある状況だ。

 両大会の間にはもちろん、出場チーム数、招集人数、日程など、誰が見ても分かる明確な違いがある。では、戦う身として、モチベーションに差はあるのか。

 直前合宿の初日となった7月8日の練習後、経験豊富なキャプテン熊谷紗希は、「それぞれの大会の位置付け」を問われると、次のような奥深い考えを明かした。

「ワールドカップって基本的にはサッカーが好きな方が見てくれるもの。オリンピックはどの競技もあり、そこまでサッカーに興味がない方でも見てくれる機会があります。世界大会という意味では同じですけど、ここでの結果がやっぱり、女子サッカーの未来に繋がると思っていますし、そこにも大きな期待をしています。そういう意味でもしっかりとした覚悟と責任を持って、オリンピックで結果を出せるように戦います」
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 また、池田太監督に二大トーナメントの違いを尋ねると、五輪特有のコンパクトさが回答として挙がった。

「中2日での5連戦、6連戦が短期間で行なわれます。移動も含めて、疲労回復の部分もそうですし、本当に全員で戦っていかないといけないなと感じます。もちろん準備の期間も限られていますので、そんななかでどう準備していくかって部分は、やはりワールドカップとはまた違った感じというか、考えというか、アプローチになるかと思います」

 ちなみに53歳の指揮官は髪をかなり短く切って、この合宿に参加。「ずいぶん切られましたね。それはパリに長くいるという決意表明ですね」と振られると、たった一言で報道陣の爆笑を誘った。

「いや、暑いから」

取材・文●有園僚真(サッカーダイジェストWeb編集部)