英作家J・K・ローリング氏の世界的ベストセラー小説「ハリー・ポッター」シリーズの第1作「ハリー・ポッターと賢者の石」の初版に使われた表紙絵の原画(2024年6月25日撮影)。(c)ANGELA WEISS / AFP

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【AFP=時事】英作家J・K・ローリング(J.K. Rowling)氏の世界的ベストセラー小説「ハリー・ポッター(Harry Potter)」シリーズの第1作「ハリー・ポッターと賢者の石(Harry Potter and the Philosopher's Stone)」の初版に使われた表紙絵の原画が26日、米ニューヨークで競売にかけられ、190万ドル(約3億円)で落札された。予想落札額を40万〜60万ドル(6400万〜9600万円)を大きく上回った。

 競売王手サザビーズ(Sotheby's)は水彩で描かれたこの原画について、「これまでに競売で落札されたハリー・ポッター関連の品で最高の落札額」になったと説明。競売では電話およびインターネットを介して4人の入札者が10分近く競い、落札されると拍手喝采が起きたという。

 額に稲妻の形をした傷跡がある丸眼鏡をかけた少年の姿を描いたのは、当時まだ23歳だったイラストレーター兼児童文学作家のトーマス・テイラー(Thomas Taylor)氏。

 同書の初版は、英出版社ブルームズベリー(Bloomsbury)から1997年6月26日に出版された。同社のバリー・カニンガム(Barry Cunningham)氏が作画を依頼した時、テイラー氏はケンブリッジ(Cambridge)にある児童書店で働いていた。

 作者のローリング氏もテイラー氏も出版当時は無名で、「ハリー・ポッター」シリーズが世界的なベストセラーになるとは誰も予想していなかった。サザビーズによれば、初版は500部しか印刷されず、うち300部は図書館に送られた。

 テイラー氏はサザビーズを通じた声明で「私のキャリアの出発点となったこの絵が、数十年たった今も変わらず輝いているのを見るのは、とてもエキサイティングなことだ」「きょう、自分で物語を書いたりイラストを描いたりする中で、このような魔法のような始まりを振り返ることができることを誇りに思う」とも述べた。

【翻訳編集】AFPBB News

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