富士フイルム、デジカメ入手難の現状を「平常な状況」と判断
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2023年の中頃から予想以上の注文やインバウンドの影響といった理由で、受注中止となるモデルが増えている富士フイルムですが、富⼠フイルムホールディングス株式会社の2024年3⽉期決算説明会において、以下の質疑応答があったようです。
質問:もう 1 問イメージングについて、1〜3 ⽉は好調にいっていると思いますけれども、(中略)御社のカメ ラの事業、チェキも含めて、デジカメとチェキそれぞれ在庫調整とマーケットに変化が今年度ない のか。それなりに強い計画にはなっていると思うので、この辺り今の状況について教えていただけ ますでしょうか。
回答:おかげさまで2023年度イメージング事業としましては、売上が4,000億円台の後半、 利益率が21%ちょっとで、⼤変良い成績を収めることができました。
(中略)積極的な計画をと⾔われていますが、他のアナリストさんからはちょっと物⾜りないんじゃないの というような意⾒も前回中期の時ございました。 ポイントはブランド⼒をどれだけ作って、それをどう維持するかが最⼤のポイントです。ですから作りすぎちゃって、値段を下げるとか、それはかなりもったいないことというか、富⼠フイルムが ずっとやろうとしてきたところはやっと今それが叶うようになってきた。
(中略)ブランド⼒をどうやって構築するか、そしてお客様が持っているその購⼊されたプロパティの価値を下げないところに集中しながら、イメージング全体、チェキもそうですけど、それを引っ張っていきたいと考えております。
(中略)ドイツの有名なメーカーライカっていうのは、いまだに古いカメラも、今売っているカメラも、かなり⾼い価値を維持しているところが⽬標とすると ころです。これまでの富⼠フイルムのカメラの売り⽅を、根本的に変えていくところが、ミラーレ スカメラのわれわれが⽬指すところでございます。
2023年度中にデジカメの部品在庫を最適化するデジタルプラットフォームの運用を開始するとしていた富士フイルム。コロナ禍から始まったであろう部品調達に難がある状況が続いている状況を、株主に対して「大丈夫だ、問題ない」と言ったと受け取ることができます。
さてこの答弁で注目したいのはライカのブランドに関する発言、ではなく、「作りすぎちゃって、値段を下げるとか、それはかなりもったいないこと」の部分。確かに富士フイルムのデジカメ。いままで在庫を抱えちゃったせいか、セール価格で販売するケースもありました。特に、Xマウントのユーザー層の裾野を広げるエントリークラスのX-Aシリーズ・X-Mシリーズの格安販売が目立っていたような。
↓参考記事
フジのミラーレスカメラ「X-A5」が4万円切ってるるるる〜
フラッグシップも夢じゃない。富士フイルム「X-H1」が11万で買えちゃいますよ
製品の在庫調整ってほんと難しい。作りすぎてしまうと管理コストがかかり続ける上に、売りどきを逃すと安く売らねば在庫がはけなくなる。そしてユーザー、販売店、株主などなどあちこちから怒られる。ハードウェアメーカーとして、そんな切ない思いを繰り返してきたところがあるのでしょう。パーツ調達もままならない現在、高価値な製品を一定数だけ作るという戦い方を選ぶところは理解できます。
ただ、結局X100Vは受注中止からの生産終了の流れとなって買えなかった&X100VIは在庫がなさすぎで公式ECサイト価格28万1600円では買えない現状に憤っている人々がいるのも、決して忘れてはなりません。なにせ転売目的の人がいたり、高値販売ショップが存在することで、肝心のブランドイメージは下がっていくものですから。
冒頭の答弁はあくまで株主を相手としたものです。富士フイルムが今後、ユーザーやファンとどうコミュニケーションをとっていくのか。注目していきましょう。
Source: 富士フイルムホールディングス
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富士フイルムの新作「X100VI」はとってもワクワクするコンデジでした