ChromeやEdgeに押され気味のウェブブラウザ「Firefox」を開発するMozillaが、1年足らずでFirefoxのベンチマークスコアが50%向上したことを明らかにしました。

Quick as a Fox: Firefox keeps getting faster

https://blog.mozilla.org/en/products/quick-as-a-fox-firefox-keeps-getting-faster/

Down and to the Right: Firefox Got Faster for Real Users in 2023 - Mozilla Hacks - the Web developer blog

https://hacks.mozilla.org/2023/10/down-and-to-the-right-firefox-got-faster-for-real-users-in-2023/



MozillaはFirefoxのユーザーエクスペリエンス向上に取り組んでおり、ユーザーのページ読み込み速度や応答速度、起動速度などを収集し、幅広いユーザーに優れた体験をもたらそうとしているとのこと。

Mozillaがブラウザの応答性をシミュレーションするベンチマーク「Speedometer 2.1」を用いて試験を実施した結果、2023年1月以降、Firefoxのスコアは50%上昇し、ユーザーにとって大幅なパフォーマンス改善がもたらされていることが判明したそうです。

Speedometer 2.1のテストはあくまでシミュレーションであるため、スコアの向上が実際にどれだけユーザの体験を改善したのかを図ることはできません。そこでMozillaは、パフォーマンス改善のために収集したデータをもとに、いくつかの項目において間接的にパフォーマンスの指標を打ち出しました。

調査項目の一つ、First Contentful Paint(FCP)の結果が以下の通り。これは、ページが正常に読み込まれたという事実をユーザーに返すまでの速度を示すものです。2023年1月時点では260ミリ秒だった応答速度が10月末時点で220ミリ秒以下になり、およそ15%速くなったことが示されました。



次はページロード中にJavaScriptの実行に費やされた時間を示すグラフです。9カ月で約350ミリ秒減少したようです。



実際にページが読み込まれた後の動作も重要です。以下は、ページ読み込み後に行ったキー押下時の待ち時間を示したもの。年間通じてほぼ65ミリ秒で推移していた速度が、2023年8月のFirefox 116および117のリリース後は59ミリ秒未満に低下しました。



Mozillaは「2023年の私たちの取り組みが、Firefoxユーザーにプラスの効果をもたらしていると確信しています。私たちはさらに多くの最適化を準備しています。詳細や進捗については、今後の投稿で共有する予定です」と話しました。