「今から飲まない?」21時以降の呼び出しに応じる“ホイホイ女”。男性の本音は…
男と女は全く別の生き物だ。それゆえに、スレ違いは生まれるもの。
出会い、デート、交際、そして夫婦に至るまで…この世に男と女がいる限り、スレ違いはいつだって起こりうるのだ。
-あの時、彼(彼女)は何を思っていたの…?
誰にも聞けなかった謎を、紐解いていこう。
さて、今週の質問【Q】は?
▶前回:34歳で彼氏と別れてから訪れた悲劇。30代前半まではモテていたのに、急にモテなくなったワケは…

自分でも、わかっている。今日このタイミングで彼の家に行くべきではなかったことは。
永遠に終わらないかと思われた熱い真夏のような日々もようやくおさまり、明け方の東京はもうすっかり肌寒い。
赤羽橋に住む彼の家を出ると、東京タワーが目の前にそびえ立っていて、まるで私を見下しているかのようにも思えた。
麻布十番にある私の家まで歩いても良かったけれど、歩きたくない気分だった。歩けなくもない距離だけど、今の私にはかなり遠く感じられる。
私は、後悔と自責の念を両方抱えながら、タクシーを探す。
「はぁ…何やってるんだろう、私は」
今年で31歳にもなるのに、なんで私は学ばないのだろう。
コンサル会社勤務の衛と、今日は二度目のデートだった。
「でも、私を家にあげたということは、少なくともアリってことだよね…?」
私は自分に言い聞かせていた。
Q1:同僚と飲んでいる時に呼ばれた。この意味は?
衛と出会ったのは、共通の友人の誕生日会だった。男女で合計8人くらいいたその会で、私の正面に座っていた衛。
スーツを着ていたけれど、鍛えていることがわかるようながっしりとした肩幅。でも顔は犬顔で、「これはモテるな…」とすぐにわかった。
「はじめまして、美奈です」
「はじめまして、衛です」
お互い一番端の席だったこともあり、気がつくと後半は結構二人で話していた。
「え!美奈ちゃん十番に住んでいるんだ。僕は赤羽橋だから近いね」
「そうなんだ!どの辺り?」
「ちょっと三田のほうに行ったところだよ。いつも美奈ちゃんはどの辺りで飲んでいるの?」
「やっぱり十番が多いかな〜」
「そうなるよね。お気に入りのお店とかある?」
このお誕生日会の翌日。衛のほうから「今度十番で飲もうよ」と連絡が来て、そこから何度かやり取りが続いていた。
そして出会った翌週の金曜の21時頃。衛から、LINEが入った。

― 衛:お疲れ!今十番で友達と飲んでいるんだけど、美奈ちゃんどこかで飲んでいたりしない?
一瞬、どう返信すべきか考える。金曜のこの時間から呼ばれて行くのはホイホイ女だ。
「でも家も近いし、向こうも友達と一緒なら変なことにはならないはず…」
しかもちょうど金曜なのに今日は予定がない。飲みたい気分でもあったし、私はしばらく考えた後、衛たちが飲んでいる『élevé』で合流することにした。

「お、美奈ちゃん来たね!ごめんね、急に呼び出して」
「ううん。ちょうど飲みたい気分だったから良かった」
「紹介するね。こちら僕の同期の太郎。で、こっちが美奈ちゃん」
衛に紹介された太郎に、私は笑顔で挨拶をする。
「はじめまして。美奈です」
「はじめまして、太郎です。金曜の夜なのにごめんね」
衛と同じ会社だという太郎もいい人で、三人ですっかり盛り上がる。
ただ私は、最初からずっと気になっていたことがあった。友達でもなく、会社の同期に紹介されるということは、それなりに意味を成す気がしていたから。
適当に遊ぶような女子をこの場には呼ばないと思うし、私のことを多少でもちゃんと見てくれているからこそ、同期にも紹介してくれたのだろう。
― これって、脈アリってことでいいよね?
そう思いながら、私はワイングラスに口をつける。すると隣から衛の視線を感じて、思わず頬が紅潮してしまう。
「美奈ちゃん、可愛いしいい子でしょ?太郎もそう思わない?」
「そうだね。本当にいい子だね」
男性陣二人の会話を聞いて、嬉しくなる。友達に自慢できるかどうかは、男性の中でも大事な基準だとよく聞く。
そしてこの日は結局24時に解散したけれど、解散間際。衛が私の耳元で、そっとこう囁いた。
「美奈ちゃん、次は二人で会おうね」
Q2:初デートで家へ行ってしまった。ここからどう挽回する?
そして衛は宣言通り、次は二人きりの食事に誘ってくれた。
衛が予約してくれていた『ROMANO 麻布十番』は素敵で、距離も近くなれるようなお店だった。

「美奈ちゃん、この前はありがとう」
「こちらこそ!太郎くんもいい人だね」
「でしょ?一番仲の良い同期でさ。またみんなで飲もうよ」
― それは、同期の方にも認められたということでいいですか?
衛の口から「また」とか聞くたびに、次があることがわかって嬉しくなる。そしてこの日、衛はかなり具体的に私たちの未来があるような感じで話してくれた。
「美奈ちゃんって、旅行が好きなんだ!」
「うん。コロナ前はかなり行ってたよ。最近はあまり行けてないけど…」
「どこが好き?」
「海外だと定番だけどハワイかな…。国内だと沖縄とか」
「え!僕も沖縄大好きで」
「本当に?」
話も合うし、気も合う。しかも衛は、まさかの旅行に誘ってきてくれた。
「美奈ちゃんゴルフするんだっけ?」
「うん、するよ。まだまだ下手だけど…」
「じゃあ今度、沖縄にゴルフ旅行しに行かない?」
「え…」
これが嫌な人だったら「気持ち悪い」と思うのかもしれない。でもこんなカッコイイ人に…いや、好きな人に旅行に誘われて嫌な気がするわけがない。

「行きたい!!行こうよ」
「OK。じゃあ決定ね」
― これって…付き合うってことでいいのかな。
旅行にまで一緒に行くのは、相当真剣に考えていないと無理なはず。しかも先のことまで計画を立ててくれるというのが、何よりもの答えになっている。
こうして私たちは、沖縄の話でひとしきり盛り上がった。そして、お店を出たのが22時半。自然と私たちの視線がぶつかり合った。
「あのさ…良ければ、うちで飲まない?いいワインがあって」
「え…でも……」
頭をフル回転させて考える。今日は二度目のデート…正確に言うと、二人きりで会うのは今日が初めて。
いつもだったら、絶対に家になんて行かない。軽い女に見られたくないから。
でも、衛とは旅行へ行く約束もしているし、適当な関係とはちょっと違う。
このまま付き合う可能性のほうが高い。
むしろ今日を逃すほうが、タイミングがズレてくる気もする。
「わかった…何もしないなら、ね」
こうして私たちは衛の家へ行き、宣言通りワインを飲んだ。でも、もちろんそれだけで終わるはずもなく、結局一夜を共にしてしまった。
◆
そして明け方、私は家へ戻ったのだけれど…。翌日は、衛のほうから「昨日はありがとう」と連絡が入っていた。
― 良かった。家に行くのは早かったかな?と思ったけれど、やっぱりタイミングって大事だよね。
そう思っていた。
でも、1週間経っても、2週間経っても、私たちの旅行の話は進まなかった。
それどころか、衛の態度が心なしかそっけなくなった気もする。
最初に家へ行ってしまったこの関係。今からでも挽回できる方法はあるのだろうか…?
▶前回:34歳で彼氏と別れてから訪れた悲劇。30代前半まではモテていたのに、急にモテなくなったワケは…
▶1話目はこちら:「あなたとだったらいいよ♡」と言っていたのに。彼女が男を拒んだ理由
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