Zscalerは9月26日(米国時間)、「AI/ML, ChatGPT Trends|Zscaler ThreatLabz」において、生成AI(Generative Artificial Intelligence)のトレンドおよびChatGPTの使用状況の分析結果を公開した。2022年11月にChatGPTがサービスを開始してから、企業は従来のアプローチを再評価し、人工知能(AI: Artificial Intelligence)技術を採用する必要性に迫られている。Zscalerはこうした状況を踏まえ、ガイドラインとして活用できるデータを提供すると説明している。

AI/ML, ChatGPT Trends|Zscaler ThreatLabz

生成AIとChatGPTに関する主な動向は次のとおり。

AI技術および機械学習技術の使用量とトラフィックが2023年4月から6月にかけて一貫して増加傾向を示している。2023年8月以降は徐々に減少しているが、その減少幅は小さい

AI技術および機械学習技術のトラフィックは製造業がけん引している。対象はChatGPT、Drift、Pypestreamなどが多い。インダストリー4.0の急速な進歩と関連しているものとみられる。製造業以外では財務・技術・サービスの分野がこうしたトラフィックを引っ張っている

こうしたトラフィックはOpenAI.comが支配的なプレーヤとして位置している。特にChatGPTに関連するトラフィックが多い。OpenAI.comに次ぐプレーヤとしてdrift.com、ada.support、Quillbot.comが続いている

AI/機械学習言語処理アプリケーションの中では、Driftが最も人気を博している。ChatGPTとLivepersonがこれに続いている

ChatGPT関連のトランザクションは2023年5月から6月にかけて急激に増加した。増加は2023年8月まで続き、その後は横ばいの傾向を示している

ChatGPTは製造・金融・サービス・技術・エネルギー部門など主要な分野の幅広い分野にわたって影響力を発揮している

ChatGPTのトランザクションは2023年8月以降に安定したが、金融セクターは例外的に2023年6月以降継続的に増加する傾向を示している

トラフィックの主なソースは米国、インド、英国であり、ChatGPT、Drift、Livepersonが使用されているトップのAIアプリケーションとなっている。日本からのトランザクションは米国、インド、英国、オーストラリアに次いで5位となっている

ZscalerはAI/機械学習戦略に責任を持って安全に使うためのベストプラクティスとして、以下を挙げている。

AI技術の使用方法とセキュリティポリシーを積極的に適応させる

AI技術を活用したアプリケーションにはリスクが伴うことを認識するとともに、知的財産や個人データ、顧客情報を保護するためのリスクを継続的に評価して軽減する

AIツールの使用がすべての関連法案および倫理基準に準拠していることを確認する

AIツールの開発と発展に対する明確な説明責任を確立する。AIプロジェクトを監督するための組織内の役割と責任を定義する

AIツールを利用する際には透明性を維持し、その使用を正当化し、その目的を関係者に明確に伝える

ガイドラインとしては、次の項目が挙げられている。

非公開情報、個人識別情報(PII: Personally Identifiable Information)、企業独自のデータ、機密情報などをAIモデルに提供しない

AIは人間の代わりにはならない。人間の適切な介入なしに意思決定を行うことに使うべきではない

AIによって生成されたコンテンツは人間のレビューと承認なしに使用しない

AIツールの開発と統合はセキュアプロダクトライフサイクルフレームワークに従う必要がある

AIソリューションを導入する前に徹底的に製品調査を行い、セキュリティと倫理的影響を評価する

ZscalerはベストプラクティスとガイドラインをAI/機械学習戦略に組み込み、このような技術を活用したアプリケーションを責任をもって倫理的に使用できるようにすることが大切だと説明している。