責任感強い人ほど「食いしばり」してしまう? 遺伝や性格にも関係、原因&対策を歯科医が解説
上下の歯を強く噛み合わせる「食いしばり」でかかる力は、一般的には自分の体重の2倍〜5倍と言われています。つまり、女性でも100kg以上の力が毎日歯や顎にかかるということです。このように強い力がかかると、歯や顎だけでなく、顔の形にも影響が出てきます。対策をすれば、顔の歪みやエラ張りが改善し、シャープなフェイスラインを取り戻せるかもしれません。本記事では、パレスサイドビル歯科の石岡麻美子院長が「食いしばり」の改善法を伝授します。
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■歯や顎にかかる力は100キロ以上…! 原因はストレスやかみ合わせなど様々
食いしばりの原因は、大きく分けて3つに分類されます。
【1】心理的な原因:ストレスや不安、怒り、恐怖などのネガティブな感情が高まると、無意識に歯を食いしばることがあります。これは、感情を抑え込むための防衛反応や緊張を解消するための発散方法として起こる場合が多いです。また、集中力や意志力を高めるためにも食いしばる人がいます。
【2】遺伝的・性格的な原因:食いしばりは遺伝的にも影響されることがあります。親や兄弟が食いしばりをしている場合、子どもも同じように食いしばりをする可能性が高くなります。また、性格的に神経質や几帳面、責任感が強い人は、細かいことに気を配りすぎて食いしばる傾向があります。
【3】身体的な原因:歯並びや咬み合わせが悪い場合、上下の歯がうまくかみ合わないために食いしばることがあります。これは、歯の接触面積を増やして安定させようとする本能的な反応です。また、虫歯や歯周病などの歯科疾患や治療によっても噛み合わせが変化し、食いしばりを引き起こす場合があります。
■顔の歪みやエラ張りにも… 「食いしばり」の悪影響は、肩こり、老け顔、睡眠障害にまで
食いしばりを続けると、顎関節症になり顔の左右のバランスが崩れたり、顎の筋肉が発達してエラが張ったりしてしまうことがあります。エラが張ると、顔が横に広がってしまい、シャープなフェイスラインを失ってしまいます。また、顎関節にも負担をかけるため、顎関節症になると顔の左右のバランスが崩れてしまうことも。ほかにも、食いしばりは全身に様々な悪影響を及ぼす可能性があります。
- 歯の異常な磨耗や欠け、割れ、折れなどの損傷
- 歯の知覚過敏や痛み、しみる感覚
- 歯周病や虫歯の進行や再発
- 下の前歯のがたつき
- 顔の形の変化や老け顔の原因
- 顎関節症や開口障害、顎の疲労感や痛み
- 頭痛や肩こり、首こり、腰痛などの筋肉や関節の痛み
- 睡眠障害やストレスの増加、不安やイライラなどの心理的な不調
- 食欲不振や消化不良などの消化器系の不調
■寝ている時だけじゃない! 日中も無意識に噛み締めているかも…食いしばりの改善法
食いしばりの改善法は、原因に応じて異なりますが、以下に一般的なものを挙げます。
- 上下の歯が当たらないように意識する:日中は舌を上顎につけて口を閉じるようにしましょう。これは自然な咬み合わせの位置です。また、集中しているときやストレスを感じるときは歯を食いしばっていないかチェックしましょう。
- ストレスを溜め込まないようにする:ストレスが食いしばりの原因である場合は、ストレスを発散する方法を見つけましょう。運動や趣味、リラクゼーション法などが有効です。また、枕の高さを適切に調整するなど、睡眠時間や質を確保することも大切です。
- 歯並びや咬み合わせを治す:歯並びや咬み合わせが悪い場合は、歯科医師に相談して治療を受けましょう。矯正治療や咬合調整などがあります。また、虫歯や歯周病などの歯科疾患も噛み合わせに影響するので、定期的に検診を受けましょう。
- マウスピースを使用する:睡眠時に歯ぎしりをしている場合は、マウスピースを使用することで歯への負担を軽減できます。マウスピースは歯科医師に相談して作製してもらいましょう。
- 筋肉の緊張をほぐす:食いしばりによって硬くなった顎や首、肩などの筋肉をほぐすことでリラックスできます。例えば、口を大きく開けたり閉じたりするストレッチや、顎関節や咬筋(奥歯を噛む時に使う筋肉)を指圧するマッサージなどを行うことも有効です。
食いしばりを解消することで、歯や顎の健康はもちろん、全身の健康や精神的な安定にもつながります。自分のタイプに合った対策を見つけ、放置せずに早めに対処しましょう。
【歯科医師・石岡麻美子さんのコメント】
私自身、幼稚園児と小学生低学年の2人の男の子を持つ母親として、食いしばりについて分かっているけれど、毎日バタバタしていると、気付くと食いしばっている自分に気付きます。たかが食いしばり、されど食いしばり。歯が割れてしまうと、最悪抜歯になることも。大切なのは、ストレスゼロにはできない時代なので、そのような知識を知った上で、普段から歯を合わさないよう、まず自分自身の改革からはじめ、それが難しいようならば、歯科医院に行き、スプリントを作ったり、話を聞いてもらうことがお勧めです。生活習慣上の一つの食いしばり、頭の片隅で気にしてみてください。
【監修者プロフィール】
パレスサイドビル歯科院長・石岡麻美子さん
皇居に近い立地にある、早稲田医学院歯科衛生士専門学校直営のパレスサイドビル歯科の院長。長崎大学歯学部卒業。中国北京にて4年間駐在経験あり、北京外国人歯科医師免許取得。主に北京日本人駐在の方々や日本人留学生の歯の健康維持に従事している。
■歯や顎にかかる力は100キロ以上…! 原因はストレスやかみ合わせなど様々
食いしばりの原因は、大きく分けて3つに分類されます。
【1】心理的な原因:ストレスや不安、怒り、恐怖などのネガティブな感情が高まると、無意識に歯を食いしばることがあります。これは、感情を抑え込むための防衛反応や緊張を解消するための発散方法として起こる場合が多いです。また、集中力や意志力を高めるためにも食いしばる人がいます。
【2】遺伝的・性格的な原因:食いしばりは遺伝的にも影響されることがあります。親や兄弟が食いしばりをしている場合、子どもも同じように食いしばりをする可能性が高くなります。また、性格的に神経質や几帳面、責任感が強い人は、細かいことに気を配りすぎて食いしばる傾向があります。
【3】身体的な原因:歯並びや咬み合わせが悪い場合、上下の歯がうまくかみ合わないために食いしばることがあります。これは、歯の接触面積を増やして安定させようとする本能的な反応です。また、虫歯や歯周病などの歯科疾患や治療によっても噛み合わせが変化し、食いしばりを引き起こす場合があります。
■顔の歪みやエラ張りにも… 「食いしばり」の悪影響は、肩こり、老け顔、睡眠障害にまで
食いしばりを続けると、顎関節症になり顔の左右のバランスが崩れたり、顎の筋肉が発達してエラが張ったりしてしまうことがあります。エラが張ると、顔が横に広がってしまい、シャープなフェイスラインを失ってしまいます。また、顎関節にも負担をかけるため、顎関節症になると顔の左右のバランスが崩れてしまうことも。ほかにも、食いしばりは全身に様々な悪影響を及ぼす可能性があります。
- 歯の異常な磨耗や欠け、割れ、折れなどの損傷
- 歯の知覚過敏や痛み、しみる感覚
- 歯周病や虫歯の進行や再発
- 下の前歯のがたつき
- 顔の形の変化や老け顔の原因
- 顎関節症や開口障害、顎の疲労感や痛み
- 頭痛や肩こり、首こり、腰痛などの筋肉や関節の痛み
- 睡眠障害やストレスの増加、不安やイライラなどの心理的な不調
- 食欲不振や消化不良などの消化器系の不調
■寝ている時だけじゃない! 日中も無意識に噛み締めているかも…食いしばりの改善法
食いしばりの改善法は、原因に応じて異なりますが、以下に一般的なものを挙げます。
- 上下の歯が当たらないように意識する:日中は舌を上顎につけて口を閉じるようにしましょう。これは自然な咬み合わせの位置です。また、集中しているときやストレスを感じるときは歯を食いしばっていないかチェックしましょう。
- ストレスを溜め込まないようにする:ストレスが食いしばりの原因である場合は、ストレスを発散する方法を見つけましょう。運動や趣味、リラクゼーション法などが有効です。また、枕の高さを適切に調整するなど、睡眠時間や質を確保することも大切です。
- 歯並びや咬み合わせを治す:歯並びや咬み合わせが悪い場合は、歯科医師に相談して治療を受けましょう。矯正治療や咬合調整などがあります。また、虫歯や歯周病などの歯科疾患も噛み合わせに影響するので、定期的に検診を受けましょう。
- マウスピースを使用する:睡眠時に歯ぎしりをしている場合は、マウスピースを使用することで歯への負担を軽減できます。マウスピースは歯科医師に相談して作製してもらいましょう。
- 筋肉の緊張をほぐす:食いしばりによって硬くなった顎や首、肩などの筋肉をほぐすことでリラックスできます。例えば、口を大きく開けたり閉じたりするストレッチや、顎関節や咬筋(奥歯を噛む時に使う筋肉)を指圧するマッサージなどを行うことも有効です。
食いしばりを解消することで、歯や顎の健康はもちろん、全身の健康や精神的な安定にもつながります。自分のタイプに合った対策を見つけ、放置せずに早めに対処しましょう。
【歯科医師・石岡麻美子さんのコメント】
私自身、幼稚園児と小学生低学年の2人の男の子を持つ母親として、食いしばりについて分かっているけれど、毎日バタバタしていると、気付くと食いしばっている自分に気付きます。たかが食いしばり、されど食いしばり。歯が割れてしまうと、最悪抜歯になることも。大切なのは、ストレスゼロにはできない時代なので、そのような知識を知った上で、普段から歯を合わさないよう、まず自分自身の改革からはじめ、それが難しいようならば、歯科医院に行き、スプリントを作ったり、話を聞いてもらうことがお勧めです。生活習慣上の一つの食いしばり、頭の片隅で気にしてみてください。
【監修者プロフィール】
パレスサイドビル歯科院長・石岡麻美子さん
皇居に近い立地にある、早稲田医学院歯科衛生士専門学校直営のパレスサイドビル歯科の院長。長崎大学歯学部卒業。中国北京にて4年間駐在経験あり、北京外国人歯科医師免許取得。主に北京日本人駐在の方々や日本人留学生の歯の健康維持に従事している。