Microsoftは自社製OSであるWindowsを人工知能(AI)で強化することを目論んでおり、Windows純正アプリのペイントやフォトにAI機能を追加するべく実験を進めているとWindows Centralが報じました。

Microsoft might bring AI to apps like Paint and Photos | Windows Central

https://www.windowscentral.com/software-apps/windows-11/microsoft-may-bring-ai-capabilities-to-apps-like-paint-and-photos-on-windows-11



Report: Microsoft is “experimenting” with ways to work AI into bedrock Windows | Ars Technica

https://arstechnica.com/gadgets/2023/08/windows-utilities-like-paint-and-snipping-tool-could-get-an-ai-infusion-soon/

Windows Centralが独自の情報筋から得た情報として、Microsoftがフォトやペイント、Snipping ToolといったWindows 11にあらかじめインストールされているMicrosoft純正アプリに、AI機能を追加するべく開発を進めていると報じました。Microsoftが開発中のAI機能には、NPUやVPUといった専用ハードウェアを必要とするものもあれば、必要としないものもあるそうです。

◆フォト向けAI機能

Microsoftはアプリが写真内の物体や人物を識別して、それらの要素を切り取り別の場所に貼り付ける機能を可能にするAI機能の開発に取り組んでいる模様。これと似た機能がiOSとAndroidには以前から搭載されているため、「MicrosoftがWindowsにこの種の機能を追加すると聞いても不思議ではありません」とWindows Centralは報じました。

◆OCRを組み込んだSnipping Tool

Snipping Toolでは、OCR(光学文字認識)テクノロジーを組み込むことで、Windowsがスクリーンショット内のテキストを識別してテキストをクリップボードに出力する機能を高速化することを目論んでいる模様。Microsoftはユーザーがデバイスで撮影した写真内のテキストを選択できるように、カメラアプリにもOCR機能を導入することにも取り組んでいるとWindows Centralの情報筋は語っています。

以下のスクリーンショットはOCR機能を備えたカメラアプリの内部ビルドのもの。



◆ペイント向けAI機能

さらに、MicrosoftはWindows 11のペイントアプリに生成AIを導入する実験も行っているとのこと。ペイント向けの生成AI機能は、Microsoftが開発しているBing イメージクリエーターの動作と同じように、ユーザーが設定した基準に基づき出力を生成するものになります。情報筋によると、ペイントに導入されるAI機能は、Bing イメージクリエーターの技術に基づいたものとなる模様。



ペイント向けAI機能の内部モックアップのスクリーンショット



MicrosoftがこれらのAI機能をいつ提供することになるのかは不明とのことですが、情報筋は「これらのアイデアはまだ実験段階にあり、Microsoftはこれ以外のAI機能をWindowsに盛り込む方法についても検討中です」と語ったそうです。なお、Microsoftは2023年9月21日にイベントを開催予定で、この中で新しいSurfaceデバイスや、AI機能についての発表を行うと目されています。