「ケタガランフォーラム」で講演する麻生太郎氏

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(台北中央社)自民党の麻生太郎副総裁は8日、台北市内で開かれた国際フォーラム「ケタガランフォーラム」で講演し、「日本、台湾、アメリカをはじめとした有志の国に強い抑止力というものを機能させる覚悟が求められている」と述べ、台湾海峡の安定のために抑止力を使う明確な意思を示す必要があるとの考えを示した。

麻生氏は、台湾は日本にとって「基本的価値観を共有し、緊密な経済関係と人的往来を有する極めて重要なパートナーであり、友人」だと言及。「台湾海峡の平和と安定は日本はもとより、国際社会の安定にとっても重要」との認識を示し、「今われわれにとって最も大事なのは、台湾海峡を含むこの地域で戦争を起こさせないこと」だと指摘した。

その上で、抑止力は(1)能力(2)いざとなったら使う意思と国民的合意(3)それを相手に知らせておくこと―の3つがそろってはじめて成立すると強調。今こそ日本や台湾、米国などの有志国には「戦う覚悟」が求められているとの考えを示した。

また「台湾と密接な隣人関係にある日本が率先して、中国を含めた国際社会に発信し続けることは極めて重要」だとし、「日本のこの毅然とした態度は、岸田政権の下、それ以後も変わらない」と強調した。

麻生氏は7日から9日まで3日間の日程で台湾を訪問している。

(黄雅詩/編集:名切千絵)