TwitterはAPIの無料アクセスを停止し、非常に高額な有料プランを発表しました。この有料プランへの移行を加速させるため、TwitterはAPIへのアクセスをさっそく遮断し始めたことが明らかになっています。

Twitter cuts many app developers' API access, even those willing to pay $42,000 per month | Mashable

https://mashable.com/article/twitter-cuts-off-api-access-apps



Twitterは2023年2月にAPIの無料提供を終了すると発表。さらにその後、3月30日に新しいAPIプランを発表し、無料で使えるプランには「ひと月あたり1500ツイート」までの制限を課し、企業向けのプランは月額4万2000ドル(約550万円)と非常に高額になることも明らかになりました。

Twitterが新しいAPIを発表して「30日以内の移行」を推奨、無料プランは月1500ツイート投稿までと限定的 - GIGAZINE



新しいAPIプランの発表に伴い、サードパーティー製のTwitterクライアントアプリは軒並み撤退を余儀なくされていますが、依然としてTwitterのAPIを利用することでサービスを継続しているアプリも多数あります。

しかし、現地時間の2023年4月4日(火)早朝、複数のエンジニアが「Twitterが(自身の作成した)アプリのTwitter APIへのアクセスを遮断している」と報告しています。Twitterは新APIプランの発表に伴い「30日以内の移行」を推奨していましたが、期限を待つまでもなく無料でのAPI利用は制限されることとなるようです。

Publerの創業者でありCEOでもあるErvin Kalemiさんは、「Twitterが興奮している新しい開発者向けエコシステムがこれですか?基本的に開発者には企業向けの有料プラン(プランは月額4万2000ドル)に登録するよう依頼します。また、無料でAPIを利用している開発者には『30日以内の移行』を通知しているものの、企業向けの有料プランに加入するには待機時間が生じています。それにもかかわらず、開発者はAPIプランの即時切り替えを要求されています」とツイートし、無料でのAPI利用ができなくなったこと、企業向け有料プランへの加入を試みているもののこれがツイート時点では実現していないことを明かしています。





Twitterをマネタイズするためのツール・Tweet Hunterを開発するエンジニアのTiboさんは、「Tweet HunterはTwitterから追放されました。5426人のTwitterパワーユーザーが影響を受けることとなります。追放に際し、警告やメールでの通達はありませんでした。そのため理由はわかりません。最初からTwitterチームと協力し、Tweet HunterがあらゆるTwitterルールに準拠していることを確認してきました。また、ルールに準拠するため、制約を追加したり、ユーザーにTwitterのサービス利用規約について通知したり、機能を完全に削除したりもしました。Twitterが新しい企業向けのAPIプランを展開した時、我々は初日にこれを申し込みました。しかし、これについても何の通知もありません。今日、我々のアプリが利用できなくなっていることを発見しました。世界中の信じられないほど才能のあるクリエイター、インディーズメーカー、スタートアップの創業者に影響を与えることとなります」とツイートし、APIが突如利用できなくなったと報告しています。





TiboさんはTweet Hunterを復活させるための方法を見つけることができたと報告していますが、これには約20万ドル(約2600万円)以上の費用が必要になると主張しています。





KalemiさんとTiboさんはどちらもTwitterがAPIの企業向け有料プランを発表した際に、即座に利用を申し込んだと語っていますが、どちらも記事作成時点ではTwitterから連絡を受けていないとしています。

他にも、FeedHiveもTwitter APIへのアクセスを遮断されてしまったようで、利用できなくなっています。ただし、FeedHiveの創設者はAPIの企業向け有料プランを利用する計画はないと発表済みです。

Twitterは無料のAPIプラン利用者のAPIへのアクセスを遮断していますが、有料プランの導入も遅々として進んでいない状況です。そのため、有料でAPIを利用する用意のある企業でさえも、APIが利用できずサービスに影響が出始めています。そのため、海外メディアのMashableは「Twitter向けのサードパーティーアプリの将来にとって良い前兆ではありません」と指摘しています。