Google傘下のフィットネストラッカー企業であるFitbitが2023年3月27日に、公式アプリから他のユーザーと運動量を競い合える「オープングループ」「チャレンジ」「アドベンチャー」などのソーシャル機能を削除しました。長らく愛されてきたソーシャル機能を排除するという今回の決定に対し、Fitbitユーザーは怒りの声を上げています。

Open groups, Challenges, and Adventures will no lo... - Fitbit Community

https://community.fitbit.com/t5/Fitbit-Challenges-Adventures/Open-groups-Challenges-and-Adventures-will-no-longer-be-available-as-of/td-p/5335863



Google is killing most of Fitbit’s social features today | Ars Technica

https://arstechnica.com/gadgets/2023/03/google-is-killing-most-of-fitbits-social-features-today/

2023年3月27日、Fitbit公式アプリに搭載されていたソーシャル機能の「オープングループ」「チャレンジ」「アドベンチャー」が削除されました。オープングループはFitbitユーザーならリクエストを送信して誰でも加入できるグループのことであり、ユーザーが仲間を見つけて運動のモチベーションを上げるために役立っていました。今後はオープングループが使えなくなりますが、招待制の非公開グループは作成できるとのこと。

チャレンジは友人と歩数を競争する機能として2014年に導入されたもので、特定のタスクを完了することでバッジを獲得したり、競争に勝利してトロフィーを獲得したりすることが可能でした。しかし、今回の決定によりチャレンジ機能は廃止され、バッジやトロフィーも削除されます。

アドベンチャーは自分の歩数に応じて仮想的な国立公園やランドマークを散策できる機能であり、2017年に導入されました。ユーザーは自分のペースで歩くことができるほか、他のユーザーと競い合う「アドベンチャーレース」に参加することもできました。

Fitbitはソーシャル機能の削除について、「私たちは今年、Googleの技術でFitbitアプリを強化するため、裏側で懸命に働いています。その結果、Fitbitアプリの領域を合理化し、2023年3月27日をもってAndroidとiOSでソーシャル機能が削除されます」と述べています。



Googleが2月17日にこれらのソーシャル機能を廃止すると発表して以降、ユーザーからは反発の声が上がっています。Fitbitの公式フォーラムには、「Fitbitの優れた機能のいくつかが削除されたことに、完全に困惑しています」というコメントや、「この決定は本当に最悪です!友人と私のグループはWorkweek HustleとGet Fit Bingoを数年間続けています。FitbitとGoogleは再考してください!」というコメント、「この決定には失望しています。グループチャレンジは私が別のデバイスに切り替えていない理由の1つです」といったコメントが寄せられています。

また、3月26日にFitbit公式Twitterアカウントが会社の創立記念日を祝ったツイートにも、ユーザーから「チャレンジ機能を削除しないでくれ」といったリプライが多数寄せられました。





長らく愛されてきた機能を削除するという決定は、親会社であるGoogleの意向によるものとみられています。Googleは2019年にフィットネストラッカーやスマートウォッチを販売するFitbitを買収すると発表し、規制当局による承認を受けた後の2021年に買収を完了しました。

Googleがフィットネストラッカーの「Fitbit」の買収を完了 - GIGAZINE



GoogleはFitbitの買収を発表した際のブログで、「私たちはWear OSにさらに投資し、Google製ウェアラブルデバイスを市場に投入する機会があると考えています」と述べており、既存のFitbit製品やサービスのサポートを継続することについては言及しませんでした。

テクノロジー系メディアのArs Technicaは、GoogleはFitbitアカウントをGoogleアカウントに統合する計画であり、PCと同期してFitbitに音楽を転送する機能を削除し、Fitbitアプリを開発するウェブベースのFitbit Studioを閉鎖することを決定していると指摘。「今のところ、FitbitがGoogleによって徐々に殺されていくという最初の印象を払拭するようなものは見られません」「今後のGoogleの計画がどうであれ、既存のコミュニティから重要なソーシャル機能をすべて削除することで、多くのリピーターを獲得できるとは思えません」と述べています。