男と女は全く別の生き物だ。それゆえに、スレ違いは生まれるもの。

出会い、デート、交際、そして夫婦に至るまで…この世に男と女がいる限り、スレ違いはいつだって起こりうるのだ。

-果たして、あの時どうすればよかったのだろうか?

できなかった答えあわせを、今ここで。

今週のテーマは「個室バーで女からされた行為に男が引いたのは…?」という質問。さて、その答えとは?

▶【Q】はこちら:どんな美女でも、デート中に男が引く女の言動。西麻布の個室バーに2人きりでも口説かれなかったのは…




美里と出会ったのはマッチングアプリだ。最初に写真を見た時から、すごくタイプだと思った。

実際に会ってみても彼女は可愛くて、僕のテンションはかなり高かった。

けれども三度ほど会って、僕はすっかり冷めてしまう。

― 美人だけどモテない女性って、いるよな…。

そんなことを感じながら。

綺麗だし性格も悪くない。でも美里は、決定的にモテない“ある要素”があった。


A1:モテるアピールは、プラス要素にはならない


アプリでマッチした後にしばらくやり取りをしてから、僕たちは恵比寿のカフェで、昼間に会うことになった。

「初めまして。…美里さんですか?」
「そうです、初めまして」

美里は綺麗で、写真と何も変わらなくて嬉しくなる。

「美里さん、写真と全然変わらないですね。実は僕、すごくタイプで」
「本当ですか!?嬉しい」
「アプリって、特に女性は写真を盛っている人が多いと聞いたので…」
「ガッカリしませんでしたか?大丈夫でした?」
「はい。お綺麗でびっくりしました」

この時、僕はかなり前のめりだったと思う。だから次のデートは夜にしたし、日程までしっかり決めて解散した。

そして二度目は、僕的にかなり気になっていた『SES(セス)』を予約した。




「お洒落なお店ですね!」

業界人が好きそうな雰囲気に、美里のテンションも上がっている。

「来たことありました?前から気になっていて、一度来てみたくて」
「初めて来ました♡」

しかも料理が旨いだけではなく、グラスワインも豊富でデートにはぴったりの店だった。




「美里さん、お酒強いんですか?」
「強くはないけど…好きなんです♡」

そう言いながら、ワイングラスをクルクルと回す美里。その仕草が妙に色っぽくて、僕は思わずその指先をじっと見つめてしまう。

「美里さんって、絶対モテますよね?」
「ふふ♡どうだろう…」

最初は、よくある会話のやり取りだった。しかし「ん?」と思ってしまう発言が、ここからちょくちょく出てくることになる。

「でもまぁモテるほうかもしれません。30歳になって、年上だけじゃなくて年下からも『好き』って言ってくれるのが増えましたね」

― おぉ。なかなか自信があるね。

謙遜するのかと思いきや、まさかのモテるアピールをしてきた美里。でもこれくらいは、可愛いもの。

「そんなに『好き』って言われる機会があるんですか!?すごいですね美里さん。大人になるにつれて、減りませんか?」

一応持ち上げてみると、美里は嬉しそうに話し続ける。

「どうなんでしょう…。あまり変わらないかもです」
「ずっとモテてきたんですね(笑)」
「ご想像にお任せします♡」

― これは…どっちパターンだ!?

天然なのか、素直なのか。それとも自信過剰なのか…。その判断がつかないまま、とりあえず二軒目へと向かう。

ただ二軒目も楽しかったので、次のデートの約束もした。でもやっぱり、「この人イタイな…」と思ってしまうことになる。


A2:イタイ感じが否めなかったから。


次のデートは少しカジュアルな韓国料理店にしたのだが、美里はそんな店に、気合十分な服装でやって来た。

「美里さん、洋服大丈夫ですか?匂いついちゃうかもですが…」

― バブルかよ。

そう突っ込みたくなるような胸を強調した服装に、店の雰囲気と不釣り合いなブランド品のバッグ。そしてトドメは「安い店には行きません」というアピールだった。

「大丈夫ですよ〜。普段こういうお店には来ないから、逆に新鮮です」
「美里さん、高いお店しか行かなさそうですよね」
「全然。たまにはいいですよね」

「普段は安い店には来ない」という彼女のブランディングは、成功しているのだろうか。男性からすると、“高級店しか行かないアピール”はむしろマイナスな気がする。




そして先ほどから妙に透けている洋服のせいで、つい美里の胸元に視線がいってしまう。

「美里さんってスタイルいいですよね」
「え〜やめてくださいよ。そんなことないですよ」

そう言いながらも、この服装は明らかに狙っている。それがあまりにも露骨すぎて、僕はだんだんと引いてしまった。

「美里さんって百戦錬磨って感じですよね。振られたことありますか?」
「振られたことは…ないかもです(笑)」
「やっぱり」
「でも、私男友達が多くて。だから好きになられそうだなと思ったら、友達に持っていくパターンが多いかも」

この自信は、どこからくるのだろうか。

モテるアピールをされても「すごいですね」としか言えないし、男友達が多いアピールも、イタイ感じに思えてしまう…。

「たしかになぁ…。中途半端な関係で終わってしまうのは、悲しいですもんね」
「そうなんです。しかも私の男友達、イケメンが多くて。みんないい人たちなんです。穂積さんは?女友達、多いですか?」
「どうだろう…。まぁ普通にって感じですかね。同期とかはみんな仲良しですけど」

美里は綺麗だし性格も悪くない。でも、何か勘違いをしている。

モテると思っているのかもしれないけれど、それは周りが気を使っているだけ。そして胸元をアピールする服装を見る限り、美里の“モテる女”像はどこか古い気がした。




「あの…穂積くん、そろそろ敬語やめない?」
「そうだね。もう3回目だしね」

敬語はやめることにして二軒目はバーへ行くことにしたのだが、ここでも美里のズレた“いい女アピール”が止まらない。

「どこかあったかなー…」
「会員制のバーを知っているんだけど、そこ行かない?この前連れて行ってもらったんだけど、すごく素敵なお店で」

美里が連れて行ってくれたのは、会員制の素敵なバーだった。

しかしバーへ着くなり個室へ通され、急に隣に座ってきた美里。そのグイグイ感に、僕は虎に狙われたウサギのような気持ちになってきた。

「この店、カッコイイね。美里ちゃんは普段からこういうお店使ってるの?」
「誰かに連れてきてもらわないと来ないけど…ってごめん!他の人の話をして。私は、穂積くんが一番だよ♡」

すると、そう話しながら美里は僕の太ももを触ってきたのだ。

― え…。俺って今日、襲われるのかな。

ここまでグイグイ来られるとホラーに思えた。

「美里ちゃんって嬉しいこと言ってくれるよね。とりあえず飲もうか」

さりげなく美里を遠ざけてみたけれど、きっと彼女は永遠に気がつかないだろう。むしろこのデートでも「相手がグイグイ来て…」とか、友達に言いそうだ。

― 綺麗だけど、なんか残念な感じが拭いきれいないんだよな…。

そう思い、僕はこれ以降美里に連絡をするのをやめてしまった。

▶【Q】はこちら:どんな美女でも、デート中に男が引く女の言動。西麻布の個室バーに2人きりでも口説かれなかったのは…

▶1話目はこちら:「この男、セコすぎ…!」デートの最後に男が破ってしまった、禁断の掟

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大人の復縁はアリなのか?