ニューヨークで暮らす富裕層だって、色々もがいている!「New Yorkに憧れて」全話総集編
「海外で、挑戦したい」
日本にいる富裕層が、一度は考えることだろう。
そのなかでも憧れる人が多いのは、自由の街・ニューヨーク。
全米でも1位2位を争うほど物価の高い街だが、世界中から夢を持った志の高い人々が集まってくる。
エネルギー溢れるニューヨークにやってきた日本人の、さらなる“上”を目指すがゆえの挫折と、その先のストーリーとは?
現状に満足せず、チャレンジする人の前には必ず道が拓けるのだ―。
第1話:海外移住で年収5,000万超になった外銀男子30歳。だが、厳しい現実に直面し…
ある日、ニューヨークからディレクターが来る機会があり、そこで僕はサポートをしながら彼に近づき、無謀にも直接彼に「アメリカで働きたい」と意志を伝えた。
すると彼はあっさりと「ならアプライすればいい」と言ってくれたのだ。
その言葉がどこまでの効力を持っていたのかはわからないが、ついに僕は念願の夢だったニューヨークで、マーケット部門のセールスを担当できることになった。
― 俺は、アメリカで成功してみせる!
日本で良い成績を収めていた僕は、正直かなりの自信があった。しかし……。
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第2話:1回目のデートで、年収5,000万円の男の心を掴んだ女。レストランで彼女が発した言葉とは
「雅也さんは元々こっちで育ったんでしたっけ?」
「はい、でも居たのは9年ほどかな。9歳からの2年間と高校から大学まで。あ、9歳の壁って知ってます?」
僕はお酒の力のおかげか、饒舌になった。
「9歳の頃にどこに自分がいたかで、その人のアイデンティティーが決まるって言われているんです」
「へえ。じゃあ雅也さんのアイデンティティーはアメリカ?」
「んー…僕の場合は中途半端だったからか、アメリカでも日本でもしっくりこなくて。今も自分が何者なんだか…」
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第3話:「君は、誰とも幸せになれない」人生楽勝だと思っていた東大出身女を苦しめた、男の言葉とは
当初は、1年間のLL.M .(法学修士)を終え資格を取得した後、帰国して、そのタイミングで彼と結婚する予定だった。
でも、私は、こっちで勉強し始めてもっと学びたい気持ちが強くなり、そのまま日本に帰るのが惜しくなった。
OPT制度というニューヨークで1年間研修できる機会を利用して、こっちで研修をしてみたくなったのだ。そこで、日本の事務所の所長にお願いして、こちらでの研修を受ける許可をもらった。
そして、事後報告で悪いと思いながらも婚約者にもう1年待ってほしい、と伝えたのが昨日。そこで喧嘩になったのだ。
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第4話:「夫の給料だけじゃ厳しい…」キャリアを中断し、ニューヨークで駐妻になった35歳女の本音
これは子どもにとっても英語環境に身を置けるチャンス。元のポジションに戻れる保証はないが、会社の復職制度もある。今は家族との時間を大切にしよう、と退職を決意した。
ニューヨークでの生活は、恵まれている。夫の年収は、住宅費や手当を入れて2,300万円。
私の収入がなくても、税金や保険料、私や子どもの英会話教室や日本語補習校の授業料まで負担してくれる。
マンハッタンのクリスマスを象徴するように、目の前でキラキラと輝く巨大なツリーを見つめながら、“ここに来て良かった”と今の幸せを噛みしめていた。
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第5話:子どもの誕生日会に大金を費やす親たちの実態!出張シェフに手品師、お土産にiPad…
「あなたがエマのお母さん?娘から話を聞いてるわ」
初めて会う彼女は社交的で話しやすく、好感が持てた。
公園によくいるニューヨーカーといった感じで、スッピンでジャケットを羽織り、中はスウェットと、カジュアルな格好も親しみを感じる。普段は会計の仕事をしているらしく、家も近い。
「ねぇ、来月オリヴィアの誕生日会をするんだけど、よかったら来ない?エマに来てほしいって」
「ありがとう。エマも喜ぶわ、ぜひ」
そういって、私たちは電話番号を交換した。
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第6話:「最近、彼が冷たい…」御曹司の男が彼女に内緒でコソコソ連絡を取っていた相手とは
付き合って半年が経った頃。
最近なんだか急に彼がよそよそしくなった。元々授業が忙しく会えない日も多かったが、近頃は会える日もめっきり少なくなり、テキストの返信もそっけない。
そろそろ終わりが近づいているのかと思っていた時、彼から家に呼ばれた。
ハーレムとアップタウンの境にある彼のStudioタイプ(ワンルーム)のアパートメントの部屋に行くと、彼が目を潤ませながら言った。
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第7話:米国に教育移住しても、受験戦争からは逃れられない!幼稚園から熾烈な争いに巻き込まれ…
息子の優斗は4歳。明るく活発だが自我が強く、協調性よりも自分がやりたいことを突き通したい性格。
落ち着きはないが、集中するととことんのめり込む。そのため、友達と衝突したり、先生の言うことを聞かなかったりとトラブルも絶えない。
「発達のスピードが違うんだと思いますが、うちでは特別な支援はできないので…」
つまりは退園勧告ということだ。
― またか…。
実はこれが初めてではなかった。
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第8話:飲み会帰りに女を家に泊めた男。手を出さなかったことがきっかけで…
「Excellent job, Nobu!」
研究生活は楽しかった。口下手な僕でも研究成果が出れば、周りは僕を認めてくれた。
けれども、恋愛の方はさっぱりだ。有名大学の博士号という肩書では、恋愛における僕の戦闘力は変わらない。
ある日、同じ研究室の友人に声をかけられた。
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第9話:「SAPIXにも英語の塾にも通わせない!」人一倍教育熱心なママが、決断したワケ
小学生から教育のためにビザ取るのはなかなか難しいようだ。夫も転勤予定はないし、英語の話せない私と子どもだけで移住できるだろうか。その時、夫が帰ってきたので話をしてみた。
「じゃあ、家族でニューヨークに住むか?」
「そんなことできるの!?」
驚いた私に夫が答える。
「ちょうどマンハッタンに出店しようと準備をしているんだ。誰かに任せるつもりでいたけど、現地調査も兼ねて、軌道に乗るまで俺も行こうかと思って」
私にとって、願ったり叶ったりの展開だった。そうして1年後、私たちは本当にニューヨークへの移住が実現した。
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第10話:高級レストランや一泊10万超えのホテルでデート三昧。最高の彼氏だと思っていたけど、裏があって…
「どうやって異性と出会うの?」
「やっぱりアプリじゃない?」
クロエ曰く、アメリカには“合コン”なんてものはなく、アプリでの出会いが主流だという。
「怖くない?危険な人とかいない?」
怖がる私に、彼女は「さぁ?中にはいるだろうけど、私は危ない目にあったことないわ」と小首をかしげた。
― 一度試してみようかな…。
それから私はアプリに登録し、メッセージをやり取りして、良さそうだと思う人と会ってみた。
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第11話:1回1,400万円のディナーデートに、怪しいホームパーティー…。女が驚愕した富裕層の遊び方とは
仕事から帰ってきた私は、お気に入りのソファに体を預け、先ほど見た“いまいましい光景”を思い返していた。
私の職業はヴァイオリニスト。といっても、そんな立派なものではない。普段は音楽教室で教えたり、イベントなどに呼ばれて曲を演奏するのが仕事。
曲のジャンルは、依頼主の希望を優先する。ジャズを演奏するときもあれば、先週はOliviaという子のバースデーパーティーでディズニーの曲を奏でたし、今日はオペラで歌われる有名なクラッシック曲を弾いた。
けれどそこで、衝撃的なことが起こったのだ。
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第12話:美容系動画で生計を立てていたが、SNSが炎上し収入が激減!窮地に追い込まれた女は…
私にとって、“可愛い”は正義だった。
中学生の時から好きなモデルに憧れて、SNSで最新のファッションや自分に合う髪型・メイクを研究した。大学時代には小さなタレント事務所に所属したりもした。
手に入れた見た目を最大限に活用できたのが、SNSだ。6年前からコツコツと投稿し続けたおかげで、今では動画の広告収入に加え、企業から頼まれた商品のプロモーションやアフィリエイトなどが主な収入源となっている。
『Yolicoさん、今日も可愛い〜♡』
こんなコメントを見るたび、私は“価値の高い人間”になれた気がした。けれどある日、SNSにいつもの3倍ほどの数のコメントが届いていた。
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第13話:「こんなモノ、いらない…」花嫁が義母からもらった“恐ろしい結婚祝い”とは
お父さんとは笑顔で会話するが、お母さんがいまいち何を考えているのか掴めないままだった。
そして2日目の夕食時。ホールチキンにサラダとスープ、そしてパンが出された。
だが、目の前の皿に乗せてくれたのは、サラダと小さく切ったチキン、そして小さなカップに入ったスープ。リアムやお父さんのお皿にはたっぷりと乗せられているのを見ると、なんとなく意地悪をされている気がしてくる。
そして夕食後。お母さんがこっそりと私を屋根裏部屋に呼び出した。ゴソゴソと何かを探し「あった!」と手にしたものを見て、私は唖然とした。
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第14話:「エコノミーなんて乗ったことがない」親の金で贅沢しまくっていた男が、ある女に惚れて人生が激変!?
俺は小学生の頃から有名私立に通い、エスカレーター式で大学4年まで進んだ。
友人たちは、政治家の息子や大企業社長の息子、大病院の跡取りなど。俺の家も同様で、不動産会社を経営する父親にエステや美容院を経営する母親と、いわゆる富裕層。
だが金に困らない分、俺たちの遊びはどんどん派手になっていった。
会員制のカラオケやクラブ、高級ホテルで集まり、気に入った女の子たちには彼女たちが望むブランド品を買い与え、デートついでに海外に行ったりもした。
だが今回、事情があって、俺はニューヨークの大学に親から送り込まれたのだ。
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第15話:3回目のデートで“告白”と意気込んで、イタリアンを予約した男。しかし、女は意外な反応で…
「じゃあ、お元気で。もし何か手伝いが必要だったら気軽に連絡してください。引っ越しの手伝いでも」
「はい、ありがとうございます。…雅也さんもお元気で。私もご活躍を祈ってます」
また、少しの静寂が流れる。僕は「帰国までにもう一度会えませんか?」や、「こっちに来た時には連絡してください」などの陳腐な言葉を頭の中で並べては、飲み込んだ。
これから日本で頑張ると決めた玲奈の負担になりたくなかったから、僕は、彼女に告白どころか、次に会う約束さえしないことに決めた。
玲奈を下ろし、ぽっかりと空白のできたタクシーの後部座席で、僕は久しぶりに感じた孤独を持て余すのだった。
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