ついに最終回を迎える火曜ドラマ『君の花になる』(TBS系、毎週火曜よる10時)。単にドラマの最終話を迎えるというだけでなく、このドラマのためにオーディションを経て結成され、劇中だけでなく現実でもアーティストとして期間限定で活動してきた7人組ボーイズグループ「8LOOM」(読み:ブルーム)の活動も終わりが近づいている。




昨日放送された『CDTVライブ!ライブ!』ではドラマのタイトルと同じタイトルの楽曲『君の花になる』をテレビ初披露。8LOOMのメンバー、高橋文哉、宮世琉弥、綱啓永、八村倫太郎、森愁斗、NOA、山下幸輝という7人の笑顔輝くパフォーマンスに、ファンからは「もう泣ける」「みんな楽しそうで泣けた」「最高でした」「終わってほしくない」と感動と寂しさの入り混じった声が多くあがった。


ドラマ放送前から約1年かけてレッスンに励み、関係を深め、撮影やライブなど色濃い時間を共にしてきた7人が、最後にどんな景色を見せてくれるのか。
ドラマ第1話の冒頭は、真っ白な衣装でステージに向かう8LOOMメンバーの姿があった。客席からは8LOOMY(8LOOMのファンの名称)の歓声。そこから、7人それぞれが個性豊かに色を見せ、魅力を開花させ、多くのファンの心を掴んでいった。改めてここで7人それぞれの魅力に迫りながら、最終回を見届けたい。この記事では、綱啓永、八村倫太郎、森愁斗、NOA、山下幸輝の5人の魅力を考える。


まずは、小野寺宝役の山下幸輝。


「せーの ほっほっほっ はっはっ」と、巧(NOA)とダンスの振り付けを確認。「あれっ?なんやったっけ」と関西弁のセリフで登場した宝。メンバーとの初顔合わせでも「半年前くらいに大阪から上京してきて…」と自己紹介していた山下の関西弁は、いつもニコニコしてやわらかい雰囲気と相まって場の雰囲気を和ませる。


ジュノン・スーパーボーイ・コンテストのファイナリストの山下。甘い顔立ちや愛嬌のあるやわらかい雰囲気で「可愛い」という声が相次ぎ、その沼にハマる人が続出しているが、それとは裏腹にダンスはキレキレ。ギャップもまた魅力だろう。ダンスの大会で優勝経験をもつ山下は、8LOOMのダンスリーダー。8LOOM楽曲で自身の歌唱パートでも歌いながらソロでキレのある動きを見せている。3rdシングル『Melody』では振付にも参加し、小学校から続けているというダンスの実力をいかんなく発揮している。TikTokには、メンバーと他アーティストの楽曲をパフォーマンスする動画も上がっていて、山下のことをもともと知らずに視聴した人からも「かっこいい」「うますぎる」と反響が。推しグループの楽曲を踊ってくれたと喜ぶコメントも出ていた。


8LOOMメンバーも「かわいい!」と反応してしまう山下の笑顔は最強。第2話で、弾(高橋文哉)に代わりリーダーに就任した宝。屋上で、弾と有起哉(綱啓永)に「仲直りのハグ」を提案したときの愛らしい表情も話題となった。第5話は、「何もできへん」と悩む宝の姿。メンバーのいいところを書き込んでいた宝のノートに、8LOOMメンバーが宝のいいところを書き込み涙するシーンは8LOOMの絆が感じられる温かいシーンとなっていた。


その第5話でもとりわけ強い絆が描かれた、森愁斗が演じる竜星との“公式双子”コンビも人気。第9話では、お揃いで頭にタオルをひつじのように巻いて登場。深刻なシーンなのにとんでもない癒しを供給してしまう。二人でダンスの振りつけをして踊る動画も投稿されて、回を増すごとに公式双子の人気もどんどん上がっていった。


密着動画や関連コンテンツでは、「楽しくて」「嬉しくて」と素直に気持ちを言葉にする山下。何かの質問に対して、しっかりとした回答をしながら時々天然なところも見え隠れ。ドラマでの宝同様、山下は“8LOOMの宝”だ。


次は、久留島巧役のNOA。

“愛され力”がすごい巧は、「CHAYNEY 今日のお弁当 焼肉だった」「食べたい カレー」など、第1話から食いしん坊な発言のイメージが。巧のセリフは短いものが多いが、本能のまま、本心で嘘なく生きている言葉ばかり。NOAはこのドラマで演技初挑戦。巧のふわふわした雰囲気と純真さをまとわせ、愛される巧を作っていった。


普段はド天然で抜けていることが多いキャラクターの巧だが、パフォーマンスの実力は格別。NOAは、6年間韓国の大手事務所「YG ENTERTAINMENT」の練習生として過ごした経験を持ち、その後ソロアーティストとして活動している。8LOOMメンバーの顔合わせのときには、NOAのことをもともと知っていた八村や山下が、もはやファンの顔に。密着動画などでは、一緒に音楽をやれることにワクワクするメンバーの様子や、「かっこいい」と憧れるメンバーの言葉が随所に出てくる。8LOOM楽曲では、歌い出しを担当したり、美しい高音のフレーズを担当することもしばしば。その存在感はピカ一だ。


一見クールに見えるNOAだが、ファンの声には「かわいい」という声も多い。パフォーマンスビデオなどでメンバーと目が合って、少し照れたような表情になったり、踊りながら抱えていたぬいぐるみが落ちそうになったのを何度も直したり。メンバーのわちゃわちゃを受け流しているようで、なんだかんだメンバーにツッコまれ笑ってしまう。ちょっとしたときに見せる笑顔や視線、真剣なパフォーマンスからは、口数は少なくても、そんなに笑っていなくても、メンバーのことが大好きで8LOOMを大事に思う気持ちが伝わってくる。


そんなNOAは、愛され力が高い巧にピッタリだったのだろう。第4話の動物園デート(遠足?)では、どうぶつアイスを2個一気に食べて、まだ食べたそうな巧を視聴者は心配し、迷子センターでチュロスを食べる巧に癒される。「会いたい」「大好き」と素直に言う巧は、純粋だからこそフラットで弾に対しても実はするどいことを言える。巧の言葉が背中を押して、弾があす花のもとに走るという場面もあった。


第9話で「ソロでも 曲 出せるようになりたい」と10年後の夢を語っていた巧。果たして最終話ではどんな未来を想像させてくれるのか。8LOOMメンバーとプライベートで曲を一から作りたいという思いも話していたNOA。今後の活躍にも期待したい。


そして、桧山竜星役の森愁斗。

「カレーの辛口と トマトサラダに コーンとタマネギ?」と驚異の嗅覚で不思議なキャラで登場した竜星だが、持ち前の明るさに救われ、心の奥にある熱さが涙を誘う。演技初挑戦という森だが、ドラマ終盤、森の涙に心動かされた視聴者も多かったのではないだろうか。


ダンス&ボーカルグループ「BUDDiiS」のメンバーとしてアーティスト活動を行っている森。8LOOMの楽曲でも歌、ダンスともにそのセンスを輝かせパフォーマンスを引っ張る。5thシングル『Forever or Never』ではAメロで先陣を切り、安定した歌声は耳にすっと届く心地良さと色っぽさが溢れる。目を閉じて気持ち良さそうに声を響かせる表情も魅力。「ダンスキレッキレなのに歌声全くブレなくてうますぎる」といった声も多く、つい目で追ってしまう独特の躍動感がある。実の兄と開設したYouTubeチャンネルも話題ですでに多くのファンがいたが、8LOOMメンバーとなりさらにファンを拡大しているのではないだろうか。


センスあふれ何でも器用にこなすイメージのある森。同時に無邪気に笑っているイメージも強い。ドラマでも「炭水化物祭り〜♪」とふざけて言って場を盛り上げたりする場面があったが、メンバーと遊んでいるときに、楽しそうに笑っている姿は場を明るくし、見ている方も笑顔に。山下幸輝との“公式双子”の人気が出るのも無理はない。


そんな森が第5話で見せたのは美しい涙。「弾も宝もダメダメじゃないから。いくら本人たちでも悪口ゆるさないから」と自分を責める新旧リーダーに訴え、「8LOOMは みんな 最高 最強のグループだから」と目にいっぱい涙をためて伝えるシーンは多くの視聴者の胸を打った。しかも、そのシーンはのちに、「実はリハーサルのときは“ガン泣き”してた」ということが明かされていて、竜星の性格から考えて「ちょっと違う」と考えた森が調整してあのシーンが作られていたという(TVer限定「君の花になる」スペシャル!より)。森自身「勉強になった」と話すそのシーンのエピソードからも、撮影のなかでもどんどん成長を遂げていっていることがわかる。


第9話ラスト、弾の言葉を受けて涙を流す竜星の姿があった。その涙の先に、どんな未来が待っているのか。最終話も涙なくして見られなさそうだ。


一之瀬栄治役は八村倫太郎。

「3年間事務所に通ってるのに絶対警備員さんに入口で止められるし そんな華ないかな?やっぱ僕たち もうダメ?」と、1話からネガティブキャラ全開だった栄治。弾とあす花のハプニングに「終わった 女性トラブルで解散だ」と頭を抱えて嘆いていたことが現実に…?


ファンもつい「倫ちゃん」と呼んでしまう愛されキャラ・八村は、ダンス&ボーカルグループ「WATWING」のメンバー。声量があって低い音程も魅力の八村の歌声は、キーの高い8LOOMの楽曲の中でもダイナミクスをつくる存在感がある。ダンスでも身長の高さとキレの良さが、グループ全体で動きが揃ったときの迫力を大きくさせる。デビュー曲『Come Again』の2番のサビで八村がセンターに来てジャンプして大きな振りが入るところの躍動感は圧巻だ。八村もメンバーと他グループの楽曲をTikTokで披露しており、こちらもクオリティーの高さに驚かされる。


メンバーとの顔合わせのとき、「しゃべんないと死んじゃう」と緊張に押しつぶされそうになりながら、1番に自己紹介を買って出た八村。密着動画では、メンバーに感謝する気持ちを言ったり、いじられても「嬉しいけど」「でもありがとう」と言葉を添えたり、メンバーのボケを逐一拾って正確にツッコミを入れたりする場面が多く、「いい人すぎる」「頭の回転はやい」などとファンをどんどん虜に。インスタライブでは、知識の豊富さとサービス精神でボケにボケをかぶせて、綱や森と収集がつかない事態に?「おもしろすぎる」「腹抱えて笑ってる」とファンを楽しませている。


そしてキラキラの笑顔の瞬発力がすごい。第6話で脱退メンバーの良介をめぐって有起哉とぶつかったとき、「僕 ずっと 8LOOMやめたかった」と涙した栄治。そこから8LOOMの結束がさらに深まり、第6話で披露された4thシングル『HIKARI』では、その有起哉と栄治がサビを歌っている。2番のサビを歌う栄治の弾けた笑顔のキラキラさといったら…!


ちなみに、昨日、今日と二夜連続で配信されるParaviオリジナル「8LOOM ROOM〜君花アフターパーティー!」でも倫ちゃん大活躍。感傷に浸っていると感情がバグるかもしれないのでご注意を。


古町有起哉役を演じたのは綱啓永。

「CHAYNEYは車で送り迎え。俺らは電車移動」とボヤキからスタートした有起哉。「奈緒ちゃん!」と大好きな銭湯アルバイトの奈緒(志田彩良)に声をかけてはあしらわれ、初対面のあす花に「あすぴょん」と呼び、ちょっとチャラい感じもあるけれど、8LOOMに対して人一倍熱い気持ちを持った“ゆき兄”もまた愛されキャラだろう(もはや8LOOM全員愛されキャラである…)。


綱はジュノン・スーパーボーイ・コンテストでグランプリ受賞。『騎士竜戦隊リュウソウジャー』ではリュウソウブルーを演じた。演技の経験はあるが、歌、ダンスは経験がなかった。8LOOMのコンテンツのコメントにはよく「未経験組の成長がすごい」と称える声が多い。高橋文哉とともに綱は、もともとアーティスト活動を行っているようなメンバーとともにレコーディングをしてライブをするというところまで持っていかなければならなかった。並大抵の努力ではできることではないだろう。しかも8LOOMの楽曲は決して簡単ではない。そんな中で、綱の高音の美しさはメンバーもびっくりするほどで、『Forever or Never』では恐ろしく高いキーのフレーズを担当している。もちろんダンスも遜色なく踊っていて、未経験とはとても思えない。


最年長の綱だが、メンバーといるときにツッコミをいれたり誰かの発言にさりげなくリアクションして放っておかない誠実な部分と、誰よりも思いっきりはっちゃけて笑顔全開で楽しむ2つの魅力が共存しているように見える。8LOOMがどのペアの組み合わせになっても推せると感じるような仲の良さや関係性は、こういうところからも生まれているのかもしれない。


ドラマで印象的だったのは、はやり第6話の涙だろうか。有起哉の“勝手さとダサさ”が脱退メンバーとの絆をつなぎ、8LOOMの結束力をさらに強くした。「俺から8LOOMとったら何も残んねえからさ」と第6話でいい、第9話で、「俺だけ(8LOOMに)100で寂しいじゃねえかよ」と話した。8LOOMへの“愛 重め”の有起哉にとって「解散」という言葉はとりわけ厳しい言葉だっただろう。最終話でどんな表情を見せるのかとても気になるところだが、綱がよく見せるはっちゃけた笑顔を最後に見られることを願ってやまない。


佐神弾役の高橋文哉、成瀬大二郎役の宮世琉弥については、最終回放送後の記事で改めてフォーカス予定。ついに来てしまった最終回。その後、最後のファンミーティングが27日まで行われる。最後の最後まで、8LOOMを応援しよう。