数年にわたり徐々に展開されてきたテスラの「完全自動運転(FSD)」ベータ版が北アメリカで利用できるようになったとイーロン・マスクCEOが発表しました。北アメリカのユーザーは1万5000ドル(約200万円)の買い切り、または月額最大199ドル(約3万円)のサブスクリプションで同機能を利用できるようになります。

Tesla’s ‘Full Self-Driving’ Beta is now available to everyone in North America - The Verge

https://www.theverge.com/2022/11/24/23476570/teslas-full-self-driving-beta-release-north-america-safety-score

ベータ版ソフトウェアの展開は2020年に少数のユーザー向けに始まり、その後徐々に拡大し、2022年10月の時点で約16万人のドライバーが利用できるようになりました。ベータ版へのアクセスを得るには、通常はドライバーがテスラに内蔵されたセーフティ・スコア機能で安全性の最低基準を達成することと、同社の高度運転支援機能オートパイロットで100マイル(約160km)を走行することが必要とされてきました。

北アメリカで利用できるようになったと伝えたマスク氏は「誰でも利用できる(available to anyone)」という言葉を選んでいるため、上記要件が不要になった可能性が考えられます。





テスラのFSDは「完全自動運転」という名前を冠していますが、ドライバーによる常時監視が必要な「レベル2」の高度運転支援システムに近いものです。テスラのFSDは規制当局からの厳しい監視の目にさらされており、アメリカの道路交通安全局はテスラ車がオートパイロット使用中に停止中の緊急車両に衝突した事件を調査しており、司法省も独自に調査を開始したと報じられています。



車の速度を周囲の交通量に合わせるなどの機能を持つオートパイロットに加え、FSDにアクセスすると、信号や停止標識を識別してそれに対応する機能を利用できるようになります。また、市街地で自動的にハンドルを切るオプションが「近日登場」とされています。