テスラが2022年第2四半期(4〜6月)の決算を発表しました。当該期間中にテスラは25万4695台の車両を納車した一方で、保有する仮想通貨のBitcoin(ビットコイン)を75%売却したとも発表しています。

2022 Q2 Tesla Quarterly Update

(PDFファイル)https://tesla-cdn.thron.com/static/EIUQEC_2022_Q2_Quarterly_Update_Deck_J8VLIK.pdf

Tesla’s run of record quarterly deliveries comes to an end thanks to China’s COVID shutdowns - The Verge

https://www.theverge.com/2022/7/2/23190004/tesla-record-quarterly-deliveries-end-china-covid-shutdowns

Tesla Q2 2022 report shows crypto sell-off, decrease in profits - The Verge

https://www.theverge.com/2022/7/20/23271834/tesla-q2-2022-earnings-elon-musk

テスラは過去2年間にわたり記録的な車両の納車台数を記録してきましたが、2022年第2四半期の納車台数は前四半期比で約18%減の25万4695台となりました。四半期ベースでは2年以上ぶりの納車台数の減少を記録したということで、海外メディアのThe Vergeは「テスラの約2年にわたる記録的な納車台数の伸びがついに終わりました」と指摘しています。

以下のグラフはテスラが四半期ごとに納車した車両の内訳を示したもので、ピンク色がモデル S/X、あずき色がモデル 3/Yの納品台数です。2022年第2四半期にテスラが納車したのは、モデル S/Xが23万8533台で、モデル 3/Yが1万6162台。なお、2022年第2四半期に納車台数が伸び悩んだ理由としては、「新型コロナウイルスのパンデミックにより、上海の自動車工場が長期にわたり操業停止に追い込まれたこと」が挙げられています。



上海にあるテスラのギガファクトリーが新型コロナウイルスのパンデミックにより閉鎖せざるを得ない状況に追い込まれたことで、同期における車両の生産台数も前四半期比で約15%減の25万8580台を記録しました。

テスラはドイツのベルリンにヨーロッパ初の自動車工場を開設し、アメリカのテキサス州でも自社工場のギガファクトリーを操業しています。そのため、上海のギガファクトリーが閉鎖された際には、「ベルリンとテキサスのギガファクトリーでの生産を増やし続けました」とテスラは説明しています。しかし、テスラのイーロン・マスク氏は「サプライチェーンの制約により工場が数十億ドル(数千億円)を失った」と、上海工場の閉鎖によるマイナス面を強調しました。

テスラは2022年第2四半期に電気自動車および太陽光発電の製造業で22億6000万ドル(約3100億円)の売上をあげており、同期の総売上高は169億ドル(約2兆3000億円)に到達しています。ただし、2022年第1四半期の総売上高は187億ドル(約2兆6000億円)でした。

さらに、テスラは投資家に向けて同社が保有するビットコインの75%を売却し、9億3600万ドル(約1300億円)の現金に替えたと発表しています。テスラは2021年にビットコインに15億ドル相当の投資を行い、テスラでの支払いにビットコインを使えるようにすると発表しました。しかし、テスラはビットコインでの支払いをサポートしてからわずか49日後に、ビットコインのサポートを終えています。

マスク氏は今回のビットコイン売却について、投資家に向けて「ビットコインに対する何らかの評決とみなされるべきではありません。中国での新型コロナウイルスのパンデミックによる工場閉鎖を考慮し、会社全体の流動性に懸念を抱いたため売却するに至りました」と語りました。