1分間最強を決める「BreakingDown」。前回(2022年3月21日)から約4カ月、7月17日に5回目の大会が行なわれる。6月4日に都内で開催されたオーディションには、過去最多となる総数72名が参加。そのうち15名は女子枠で、今回が初の試みとなる。


初の女子オーディションもピリピリした展開に

「BreakingDown」は、総合格闘家の朝倉未来朝倉海がスペシャルアドバイザーとして監修し、2021年7月4日 の第1回大会から改善を重ね、前回大会からはオーディションの様子をYouTubeで公開。血気盛んな参加者同士が取っ組み合い、時にはケージで対戦するという展開が話題となり、3本の動画の総再生回数は大会前にトータル1000万回を超えた。

 朝倉未来のYouTubeチャンネルにアップされた今回のオーディションの動画4本の再生回数は合計2000万回に迫りつつある(7月14日時点)。そのオーディションでは、これまでの大会に出場した瓜田純士(過去に前田日明がプロデュースするTHE OUTSIDERにも出場)ら13名がひな壇に座って参加者と対峙した。

 男子は、Aグループのフライ級から始まり、Jグループのヘビー級まで10組。オーディション開始前から控室で揉め事が起こったが、警棒を手にした参加者を朝倉海が「武器は使うな」と羽交い絞めにしてその場は収まった(その参加者は帰宅)。オーディションが始まると、椅子を蹴る、マイクを蹴って収録が止まるなどさらにヒートアップ。本戦出場を目指す参加者たちによる懸命のアピールが展開された。

ファンに愛される「ニキ」たち

 殺伐とした雰囲気の中、別の意味でインパクトを残したのが、元自衛隊の大山田涼太郎。安保瑠輝也の「安保チャンネル」メンバーTERUに対戦をアピールするため、席を立って詰め寄ると、手にしていた醤油をドボドボと頭から被った。しかし「オレ、お前とやる気で......」と話している途中で「ブフッ」とむせ返して苦痛の表情を浮かべると、緊迫した空気が一転。会場は笑いに包まれた。

 体を張ったアピールだったが、TERUには別に戦いたい相手がいたためあっさりフラれ、大山田は醤油の香りを残して会場をあとにした。それでもSNSでは多くの称賛の声が上がり、朝倉未来からは「醤油ニキ」というニックネームもつけられた。今回のオーディションで最もキャラ立ちしたひとりとなったため、今後に何らかの展開があるかもしれない。

 そしてもうひとり、"期待"を裏切らなかったのが「10人ニキ」こと鈴木大輔。鈴木は前回大会のオーディションで、「武器を持った10人をひとりでボコボコにした」と威勢よく乗り込んだが......これまで全大会に出場しているにっけん君とのスパーリングで、左フック一発に沈んだ。

 今回はダッシュでにっけん君に飛び掛かるなど猛アピール。朝倉未来から「成長した姿を見せてほしい」と言われ、同グループの参加者とスパーリングを行なったものの、一方的にやられて無念のTKO敗け。そのキャラクターが愛され、人気急上昇の「10人ニキ」だが、自身のYouTubeチャンネルではダメージが深かったことを告白。くれぐれもケガには注意していただきたい。

「醤油ニキ」のオファーを断ったTERUは、プロボクシング元IBF世界スーパーウェルター級3位の細川貴之を指名。「BreakingDownは、1分間ならプロに勝てるかなというのが醍醐味やと思う。(細川は)怖いけどやらせてほしい」と真正面からアピールし、対戦が決定した。

 前回大会は本戦でも相手を一発で倒し、朝倉海からも「一撃持ってますね」と評価されたにっけん君の相手は、元日本ランカーのプロボクサー・飯田将成に決まった。殴り合いに自信を持つにっけん君は、過去最強の相手にどんな戦いを見せるのか。

「20世紀最強の暴君」登場

 Jグループのヘビー級の序盤に乱入して大暴れしたのは、元迷惑系YouTuberのへずまりゅう。「朝倉未来チャンネル」のメンバー、たくまの顔面に口に含んだ水を吹きかけ、混乱が起こったのちに2人の対戦が決まった。学生時代にレスリングで国体出場歴を持つへずまりゅうと、柔道歴13年のたくま。勝利するのはどちらか。

 へずまりゅうが去ったあと、男子最後のヘビー級オーディションでサプライズが起きた。K-1の創世記から活躍し、「20世紀最強の暴君」としてWORLD GPを3度制覇したピーター・アーツが登場。51歳となった今もオーラが健在なアーツが「俺と戦いたいやつはいるか?」と聞くと、参加者4人が一斉に挙手。アーツは「後で決めさせて」と笑顔で答えた。


ピーター・アーツ(右)の登場に笑顔の朝倉未来(左)

 大物の登場に、朝倉未来は「海外進出も考えているので、レジェンドに出てもらえるのはめっちゃ嬉しい」と話した。海外進出はかねてから視野に入れており、すでにオファーも届いているという。アーツ参戦は、その大きな推進力となる可能性がある。

女子オーディションも「しっかり格闘技をやってる」

 初の女子オーディションには、現役のJK格闘家、お笑い芸人、3児の母、ラウンドガール、セクシー女優など、さまざまな経歴を持つ15名が登場した。

 男子に比べるとオーディションは静かに進んだが、スペシャルゲストとして別室で様子を見ていた木下優樹菜、てんちむ、「ヘラヘラ三銃士」のありしゃんが会場に現れ、「ぬるい!」「全然面白くない!」とハッパをかけると一変。参加者たちは火花を散らし、MMAやキックボクシングルールのスパーリングも行なわれた。

 その様子に朝倉未来は「面白かった。ジョシカクって感じ」、海も「しっかり格闘技をやってますね」と評価。セクシー女優の白花こうvsプロダンサーの森田舞夢、オーディションの登場でパイプ椅子を蹴り飛ばすなど、挑発を繰り返したラウンドガールの青山あいりvs少林寺拳法6年の経験がある土木作業員・坂本瑠華など、結果だけでなく今後の展開も含めて注目のカードが組まれている。

 オーディション終了後、参加者個人が"裏側"などと題して動画を公開し、そちらも軒並み再生回数が多くなっているが、予期せぬ展開も。前回大会で脚光を浴びた井原涼が公開した動画に端を発し、"やらせ疑惑"が浮上した。

 これを受けて朝倉未来は自らも動画を公開し、「『こことここがぶつかったら面白いよね』という大きなシナリオはある」と運営側の狙いはあるとしながらも、「オーディションが開始したらアドリブ。セリフや台本の用意はない」とコメント。井原とは今後について直接話し、打撃の指導もするなど迅速かつ柔軟に対応した(その様子も自身のYouTubeチャンネルで公開)。

 大会直前まで話題の絶えない「BreakingDown5」。目立ちたい、名を売りたい、夢を叶えたい......。人生の大きなターニングポイントとなる1分間が幕を開ける。