子どもが親の許可なしにスマートフォンで課金する事例はこれまで複数報告されており、そのたびアプリストアを運営するAppleやGoogleは批判の的となってきました。新たに、「10歳の子どもがiPhoneでTikTokに30万円超を課金した」という事例が報告されています。

‘TikTok trickster conned my autistic daughter out of £2,000’

https://www.telegraph.co.uk/money/katie-investigates/tiktok-trickster-conned-autistic-daughter-2000/



Parent angry Apple didn't stop 10-year-old's $2,500 TikTok spree | AppleInsider

https://appleinsider.com/articles/22/05/08/parent-angry-apple-didnt-stop-10-year-olds-2500-tiktok-spree

「10歳の自閉症の娘にクリスマスプレゼントにiPhoneを贈ったところ、その4日後にTikTokで2012ポンド(約32万円)の課金を行った」という実体験を、Telegraphの読者が報告しています。

この報告を行ったのは、「AH」というハンドルネームのTelegraphユーザー。AHさんによると、Apple IDに紐づけられたメールアドレス宛に送信されてきたAppleからの請求書により、子どもの課金が明らかになった模様。その後、AHさんは子どもがTikTok上で行った23回の課金を払い戻そうとしたそうですが、これはすべて上手くいかなかったそうです。

AHさんは「たった数分で失うにはあまりにも高額でした」「Appleは私のアカウントで起きた異常な活動を検出できず、疑わしい支払いプロセスをブロックすることができなかったため、私は本当に失望しました。これに加えて、Appleのカスタマーサポートは存在しないも同然ということもわかりました」と記し、突如行われた高額な課金行為がブロックされなかったこと、そしてAppleに直接問い合わせたものの取り合ってもらえなかったことを嘆いています。

なお、AHさんは子どもに使わせていたひとつ前のiPhoneではペアレンタルコントロールを有効にすることで子どもによる課金を防いでいたそうですが、最新のiPhoneでは同機能を有効にすることを忘れていたそうです。



調査により、AHさんの子どもは「Ohidur247」というTikTokユーザーに投げ銭するために課金していたことが判明。さらに、Ohidur247というユーザーはTikTokの詐欺関連のガイドラインに違反していることが明らかになったため、TelegraphはAppleに事態の詳細を説明しています。この結果、最終的にAppleはAHさんに全額返金することに同意しています。

なお、Telegraphは「銀行の決済システムのように、不正防止対策としてAppleの決済システムは疑わしい支払いをブロックすべきだった」と報じています。