名手たちから教えを受けた脇元華 地元・宮崎で新たな一年がスタートする(撮影:佐々木啓)

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<アクサレディス 事前情報◇23日◇UMKカントリークラブ(宮崎県)◇6546ヤード・パー72>
今週は宮崎県で「アクサレディス」が開催される。指定練習日の水曜日。ひんやりした空気が残った朝、地元出身の脇元華が練習に精を出していた。
冷たい雨のなかパッティング練習から上がってきた脇元は、「上を目指すだけです」と力強く決意を語った。2018年のプロテストに3回目の挑戦で合格。同年のファイナルQTで23位に入り前半戦の出場権を獲得すると、翌年は賞金ランキング47位に入り初シードを獲得した。「順調に来ていた」と着実にステップを踏んでいた。
おかしくなったのは、昨季から。「ずっとパターで悩んでいて、気持ちが落ちてしまっていました」と悩みは深まるばかり。「ずっと昔の感覚を探っていて、どうやったら戻れるんだろうと思ってやっていた」と心の疲れは蓄積した。結果、賞金ランキングは75位に下降。シード権を失い、ファイナルQTも79位とレギュラーツアーの出場権を逃した。
プロテストは合格まで3回かかったが、「上達している実感はあったんです。ショットも、『こんなアプローチも打てるようになった』とか、アンダーパーで回る回数も多くなったとか。だから、はじめてうまく行かないんだなと思ったのが去年でした」と、挫折を味わって心が悲鳴をあげた。
「12月はゴルフが嫌いになっていた。一度距離を置いて、元日から始めようと思ったんです」。仕事が絡むプロアマなどには出たものの、「トレーニングもしていませんでした」と、ゴルフに関わるものは、頭の中から切り離し、正月を再スタートの地点と気持ちを切り替える。
転機は新年早々訪れた。地元宮崎はオフの期間に多くのプロゴルファーが合宿を行うが、地元で練習していた脇元は、そこで先輩たちからアドバイスをもらうことになる。12月にはプライベートでパットの名手・谷原秀人から助言をもらい、1月の宮崎では岩田寛、上井邦裕、上田桃子からも言葉をもらった。「それぞれいただいたことをいいとこ取りして、それらがはまってよくなった」と、再びゴルフが楽しいと思えるようになった。
そうして迎える今週の今季初戦。「いけるところまでいきたい」とやる気に満ちあふれている。「前半戦でいただける推薦の試合で頑張って、リランキングを突破して後半戦も出て、優勝争い、優勝、そしてシード復帰を目指します」と強い気持ちで戦っていく。
下部のステップ・アップ・ツアーにも参戦することになるが、「そこは初心に戻って。練習量、質ともにレギュラーでやっていたときと変わらず、ステップでもやってきます」と、新たなスタートに向けて気合を込める。「楽しく強い気持ちで」という22年。自身の開幕戦は地元の力も受けながら、新・脇元を見せる構えだ。
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