いつ頃か思い出せないが、コンテキストメニューをひたすら拡張するカスタマイズの潮流があった。2〜3ステップでファイル/フォルダーに対してアクションを実行できるのは有益だが、一度目の右クリック/長押し時に発生する遅延は小さくない。

これは対象のレジストリエントリー(フォルダーであればHKEY_CLASSES_ROOT\Folderキー)を読み込む際に発生するものだ。ちなみに二度目以降はメモリーなどにキャッシュされるのか素早く応答する。つまるところ、コンテキストメニューの拡張は"諸刃(もろは)の剣"なのだ。

不要な機能は表示させない・呼び出さない、のがWindowsを快適に使うコツの一つである。今回取り除く対象は「スタートメニューにピン留めする」だ。

標準のコンテキストメニュー


「その他のオプションを表示」から呼び出したコンテキストメニュー


本機能はクラスID「{470C0EBD-5D73-4d58-9CED-E91E22E23282}」を呼び出しているため、HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Shell Extensions\Blockedキーへのエントリー登録で抑制できそうだが、筆者が確認した限りでは無効だった。

「Win」+「X」キー→「A」キーと順に押すか、スタートを右クリック/長押しし、「Windowsターミナル(管理者)」をクリック/タップする


下記内容をWindowsターミナルにコピー&ペーストする


「スタートメニューにピン留めする」が取り除かれた標準コンテキストメニュー


同じく「スタートメニューにピン留めする」が取り除かれた旧コンテキストメニュー


当然ながら物事の要不要は利用者によって異なる。筆者の場合は「スタートメニューからフォルダーを呼び出す場面が皆無」なので、削除対象とした。

一時的に深い階層のフォルダーをスタートメニューにピン留めする利点もあるが、それならショートカットファイルをデスクトップに作成した方が早いだろう。筆者と同じ考えの方は本Tipsを試してほしい。

ちなみに、レジストリファイル「PintoStartScreen.reg」を結合すれば、本項目は復帰できる。

著者 : 阿久津良和 あくつよしかず 1972年生まれのITライター。PC総合誌やDOS/V専門誌、Windows専門誌など、各PC雑誌の編集部員を経たのちに独立。WindowsとLinuxをこよなく愛しつつ、PC関連の著書を多数手がける。近年はBtoCにとどまらず、BtoBソリューションの取材やインタビューが主戦場。休肝日を設けず日々飲み続けてきたが、γ-GTP値が急激に増加し、早急な対応を求められている。 この著者の記事一覧はこちら