R-45からのフェムテック|社会全体で女性特有の健康課題の解決を! 日本フェムテック協会代表理事が現状を解説
Hello Femtech
R-45からのセクシャル・エイジングケア
「フェムテック」って?
最近よく耳にする言葉、「フェムテック」についてご存じですか? 女性のライフステージに大きく関係していて、ホルモンバランスがゆっくり変化する40代こそ向き合うべき大切なキーワードです。今回は日本フェムテック協会代表理事の山田奈央子さんにフェムテックについてくわしくお聞きしました。
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女性が抱える女性特有の健康課題を解決すること
2021年の流行語大賞にもノミネートされ、ニュースにもたびたび登場する「フェムテック」。実は、私たち40代にとっても大切なキーワードです。フェムテックとは、女性(Female)とテクノロジー(Technology)をかけあわせた造語で、女性が抱える女性特有の健康課題を解決するための商品やサービスを意味しています。日本フェムテック協会の代表理事を務める、山田奈央子さんに日本におけるフェムテックの現状、課題についてお話をうかがいます。
「フェムテックが注目されるようになった大きな要因のひとつが、新型コロナウイルスの流行と考えられます。健康に関する興味関心が高まったこと、病院に行きづらくなったことで、セルフケア=自分の体に向き合う人が増えました。さらに、メディアでのジェンダー関連のニュース、『#生理の貧困』や『#MeToo』運動など、様ざまな話題が持ち上がったり、自民党フェムテック振興議員連盟が立ち上がるなど、2020年は『フェムテック元年』といわれています。そんな状況を受けて、大手企業のフェムテック業界参入もあり、経済活動としても注目されるようになりました」(山田さん)
私たち40代は、フェムテックをどう捉え、向き合うべきでしょうか。山田さん自身の経験をお聞きすると、共感することが多くあります。
「私自身、20代は仕事中心で体調が悪くてもがむしゃらに働いていました。そして、気がついたら30代後半になって、妊娠したくてもなかなかできない。ホルモンバランスを崩し、産後の体調不良、子宮筋腫なども経験。仕事と家庭のバランス、体調管理もうまくできず悩みました。その経験からも、女性の体について、知識を向上させることが必要だと思っています」
今、フェムテックは商品やサービスに限らず、社会のムーブメントになっているといっても過言ではありません。
「フェムテックを語る上で、ヘルスリテラシー(健康や医療に関する情報を探したり、活用したりする能力のこと)は欠かせません。女性の様ざまなライフステージにおける体と心、ホルモンバランスについてのヘルスリテラシーを向上させることで、ひとりひとりが活躍できる社会が築けます。個人の問題ではなく、女性の体について、社会全体の知識を向上させることが必要です」
今までは、女性の健康問題や不調などについて話すことがタブー視されていましたが、これからは声を上げる時代にシフトチェンジしています。
月経に関する異常症状
出典:日本医療政策機構「働く女性の健康増進調査」(2018)特に症状はない……50.4%
以前は症状があったが、現在は特に症状はない……16.4%
現在、症状がある……33.3%
→異常症状がある場合でも49.7%の人が何もしていない
更年期症状や更年期障害の有無
出典:日本医療政策機構「働く女性の健康増進調査」(2018)特に症状はない……58.0%
以前は症状があったが、現在は特に症状はない……5.4%
現在、症状がある……36.5%
→異常症状がある場合でも41.9%の人が何もしていない
不調を感じていても約半数の女性は何も対策をしない!
月経過多、月経周期が長い、月経不順など何らかの月経異常も、更年期障害も、症状に気づいていながらもそのままやり過ごしてしまう女性が半数近くも。
GLOW世代に関係するフェムテック分野
月経
40代半ば頃は生理周期がだんだんと長くなり、やがて閉経を迎える時期。倦怠感やイライラ、頭痛など様ざまなトラブルを抱えやすくなるが、生理不順によるものなのか、更年期によるものなのか、判断が難しい。
更年期
程度の差こそあれ、閉経前後の40〜50代に症状が起こるケースが多い。ホットフラッシュ、のぼせ、イライラ、不眠、倦怠感など様ざま。ふだんと様子が違うと思ったら、迷わず婦人科に相談を。
妊娠・不妊
一般的に40代の妊娠は高齢出産となるので、20代、30代と比べるとリスクが高くなる。自然妊娠が低下するが、その一方で、40代の思わぬ妊娠というケースも少なくないという。いずれにしても、慎重になることが肝心。
婦人科系疾患
40代後半になるとホルモン分泌の乱れによる様ざまな不調が現れる。更年期もそのひとつにあてはまるが、子宮筋腫、子宮内膜症、卵巣がんなども増加傾向になるので、定期的な検診が必要。
セクシャルウェルネス
日本は世界的に見ても「セックスレス大国」となっている。しかし一方では、セルフプレジャー市場も活発になっているそう。性欲、快楽を得ることで“幸せホルモン”が分泌されて、結果美しくなるというメリットにも注目!
自分のフェムテラシーを把握できる「フェムテック検定」
日本フェムテック協会では、検定・資格制度を通じて、女性の体と心の変化およびホルモンバランスについて正しい知識を得て、女性特有の悩みとの向き合い方の啓発活動をしています。無料でウェブ受験できる「フェムテック検定3級」は、合格すると「フェムテックアンバサダー」になることができます。
教えてくれたのは……日本フェムテック協会 代表理事 山田奈央子さん
日本フェムテック協会 代表理事山田奈央子さん
【PROFILE】
上智大学文学部ドイツ文学科卒業。大手下着メーカーに勤務後、世界初の下着コンシェルジュとして、下着セミナーや雑誌・TV・WEBなどで下着のアドバイスを行う。2006年、シルキースタイルを設立。女性特有のお悩みを解決するフェムテック商品やインナーを企画開発。
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撮影=目黒智子
取材・文=夏目 円
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WEB編集=FASHION BOX