8月はほったらかしがちでも育つローズマリーを植えよう!【ベランダ菜園におすすめの野菜&ハーブ #20】

教えてくれた人

てしま農園 代表/龍 慶介さん
自衛隊のパイロット、大手広告出版会社と異色の経歴を経て、10年前に農業の世界へ。“植物のプロとお客様をつなぐ”をコンセプトに『てしまの苗屋』を立ち上げる。初心者にも植物を育てることの楽しさを伝えたいと、購入者への説明や相談にも積極的に対応。失敗しにくい苗の販売と育成に力を注ぐ。

植物への愛情たっぷりの龍さんに、8月のベランダ菜園におすすめの野菜&ハーブと基本的な知識やアドバイスをいただきました。

例年以上の暑さの中、例年通りに植え込みスタート!

ーー全国的に連日猛暑日が続いていますが、てしま農園はいかがですか?

龍 慶介さん(以下、龍) いやぁ、本当に暑いですね~!特に真夏のハウス内は地獄のような暑さなので参っていますよ。例年以上に暑いと言われてはいますが、てしま農園はおかげさまで例年通り葉物野菜とイチゴの植え込みを始めることができました。

ーーそれはよかったです!熱中症には気を付けてくださいね。

龍 そうなんですよ、平気で40度は超えますし体力的にもかなりキツいんですよね。同時に夏のバカンスが終わったばかりで、気持ち的にも復帰に向けてリハビリ中なのでWパンチです(笑)

8月におすすめのハーブは「ローズマリー」

ーー8月におすすめのハーブを教えてください。

龍 ローズマリーです!特徴はなんと言っても、何年も採り続けられることと植え付けの時期を選ばないこと。真夏の直射日光にも強く、根を伸ばすことができる充分なスペースと土さえあればずっと育ってくれます。

実はローズマリーは野菜でもハーブでもなく、常緑低木という「木」に分類されます。そのため生育はゆっくりで、時間をかけて徐々に大きくなるんですよ。

ローズマリーを上手に育てるには?

最適な環境と植え付け方法

ーーローズマリーを育てるときの注意点はありますか?

龍 いい意味でこだわりがない植物なので、そんなに気を使わなくてもしっかり育ってくれますよ。日当たりがいいに越したことはありませんが、あまり日が入らない環境でも、直射日光が激しい環境でも問題なく育ちます。

また、摘み取ったローズマリーを挿し木で地面に挿せば、そこからも新しく根付き始めるため、増やすのも比較的簡単です。

ーーおすすめのプランターの形はありますか?

龍 先ほどお伝えしたとおりローズマリーの生育はゆっくりなので、5~10年をかけて大きくなります。そのため、その都度大きさに合わせて植え替えるのがベスト。最初は、7寸くらいの小ぶりの丸型鉢で充分です。成長するにつれて、大きな鉢やプランターに植え替えるといいですよ。

水と肥料のやり方

ーー気を使わなくていいと仰っていましたが、水やりはどうですか?

龍 水は少なめで大丈夫です。ローズマリーは乾燥を好む植物なので、多少水やり忘れたりしても問題ありません。

ーー肥料はどうですか?

龍 ほとんどあげなくて大丈夫ですが、1年に1~2回ほど、固形の化成肥料をスプーンひとさじ分くらい与えれば充分です。タイミングとしては、暖かくなる前の2月末と9月の上旬頃がいいですね。

想定されるトラブルと対処法

ーー気を付ける病害虫はありますか?

龍 ローズマリーは生命力が強く、ほとんど虫もつきません。強いて言うなら、水をあげすぎることによる根腐れに気を付けましょう。根腐れを起こすと、根から水分や養分を吸い上げられなくなってしまいます。

ローズマリーの収穫時期と収穫方法は?

ーー今植えると、収穫はいつになりますか?

龍 植え付けてからおよそ2カ月くらいで、新芽を摘むことによって1本しかなかった枝が枝分かれし少しずつ増えていきます。収穫量を増やしたい場合は、植え付けてから1~2年くらいは定期的に摘心(枝の先端を10cmほど切り取る)するといいですよ。

ーーローズマリーって、花もとても綺麗ですよね。花が咲いたら摘み取るほうがいいですか?

龍 いえ、見た目にも楽しめますしそのままで問題ありませんよ。花が咲き終わったら、花が咲いていた少し下の位置で枝を大きく刈り込むと木がまた元気になります。時期的には5月と9月頃がおすすめです。

おすすめの保存方法

ーーおすすめの保存方法はありますか?

龍 ローズマリーの香りの元は油分なので、乾燥させるとより香りが強くなるんです。なので、ドライフラワーを作る要領で逆さにして乾燥させるといいですね。

おすすめのローズマリーの使い方は?

1年を通して楽しめるローズマリー