「バーニャカウダ」とは?調理師が由来や食べ方、レシピをご紹介!
「バーニャカウダ」とは?由来や作り方をご紹介!
バーニャカウダとは、たっぷりのにんにくとアンチョビ、オリーブオイルを使ったソースのこと。野菜をディップするのが主な食べ方で、日本ではカフェやバーなどのメニューとして人気です。
バーニャカウダは北イタリアを代表する郷土料理
バーニャカウダは、イタリア北部にあるピエモンテの郷土料理。ピエモンテはアルプス山脈のふもとにある、イタリアのなかでも寒さが厳しい地方です。その土地で、農民が体を温めるために食べていた料理が「バーニャカウダ」の始まりだといわれています。
また、ピエモンテは内陸にあり、酪農が盛んな地域。昔ながらのバーニャカウダは、バターや生クリームなどの乳製品を使用した、こってり濃厚な味わいが特徴です。
加えて、かつてのイタリア北部はオリーブオイルの生産量が少ない地域だったのだとか。そのため、元々のバーニャカウダにはクルミやヘーゼルナッツなどのオイルが使われていたそうです。
バーニャカウダ(Bagna càuda)の名前の由来
バーニャカウダ(Bagna càuda)の「バーニャ」はソース、「カウダ」は温かいという意味があります。つまりバーニャカウダは、イタリア語で「温かいソース」ということ。そのため、冷やした場合はバーニャカウダではなく「バーニャフレイダ」と呼びます。
ちなみに「カウダ」は、イタリア語「カルダ」をピエモンテ地方の方言で発音したときの読み方。また、「バーニャカウダ」はピエモンテ州の一部の郷土料理なので、イタリア全土ではあまり知られていないそうですよ。
バーニャカウダの一般的な食べ方
本場のバーニャカウダは、寒い時期に食べられる料理。本場の伝統的なスタイルを楽しみたいなら、秋や冬が旬の野菜を使ってみましょう。現地では、キャベツやラディッキオ、キクイモなどが使われるそうです。
おすすめの野菜は、ラディッシュやブロッコリー、にんじん、パプリカ、下ゆでしたじゃがいもなど。そのほか、冷蔵庫にあるお好みの野菜を使ってみてください。さまざまな色の野菜があると、盛り付けたときに見た目が華やかになりますよ。
また、残り少なくなったバーニャカウダに、卵を入れてスクランブルエッグ風でいただくのが本場の食べ方。イタリア気分を楽しみたい方は、ぜひ試してみてくださいね。
調理師おすすめ!バーニャカウダのアレンジレシピ3選
1. 材料は4つだけ。シンプル・バーニャカウダ
にんにくとアンチョビ、オリーブオイルだけで作る、シンプルなバーニャカウダです。味付けに乳製品を使わない分、下ごしらえの段階でにんにくの臭みをしっかり取るのがポイント。
臭みを取ったにんにくは旨みと甘みだけが残るので、しつこさもなく、とても食べやすく仕上がります。余ったバーニャカウダは、パスタソースとしても使えますよ。
材料(2人分)
・にんにく……1株(約50g)
・アンチョビフィレ……25g
・牛乳・水……各適宜
・エクストラバージンオリーブオイル……120cc
作り方
1. にんにくの皮を剥いて半分に割り、芯を取る。
2. 1のにんにくを、牛乳と水1:1の水分で2回ゆでこぼす。2回目の段階で、にんにくを指で潰せるくらいやわらかく煮る。
3. 2のにんにくの水気を切って鍋に戻し、アンチョビを加えてヘラなどで細かく潰す。(包丁で叩いたり、裏ごししたりしてもOK)
4. 3にエクストラバージンオリーブオイルを加えて、弱火で焦がさないように煮立てたら完成。
2. 本場のような濃厚さ。クリーミー・バーニャカウダ
基本的なバーニャカウダにバターと生クリームをプラスする、伝統的な味付けのレシピです。乳製品ならではのコクと風味が、口のなかにふわっと広がります。本場さながらの濃厚でこってりしたソースは、野菜と相性バツグン!
材料(2人分)
・にんにく……1株(約50g)
・バター……20g
・アンチョビフィレ……25g
・エクストラバージンオリーブオイル……50cc
・生クリーム……お好みの量(25cc以上)
作り方
1. にんにくの皮を剥いて半分に割り、芯を取って水で10~15分ゆでこぼす。
2. 1の水分を切って鍋に戻し、バターを加えて潰しながら炒める。
3. 2にアンチョビを加え、さらに潰しながら炒める。
4. 全体的に潰れてきたら、オリーブオイルと生クリームを加えてなじませ、しっかりと温まったら完成!(お好みでミキサーやフードプロセッサーにかけて、滑らかにしてもOK)
3. みそで作る!和風バーニャカウダ
アンチョビの代わりに、日本の伝統的な調味料「みそ」を使う、和風バーニャカウダです。本来のレシピで使用するアンチョビは、カタクチイワシの発酵食品。そのため、大豆の発酵食品である「みそ」を使うと、同じような風味を楽しめます。
動物性食品を使わないので、ヴィーガンの方にもおすすめのレシピです。アンチョビ特有の魚の風味が苦手な方も、ぜひ試してみてくださいね。
材料(2人分)
・お好みのみそ……大さじ2杯
・にんにく……1/2株(20~25g)
・オリーブオイル……大さじ4杯
・お好みのナッツ(クルミなど)……10~15g(5片くらい)
・豆乳……大さじ3杯
作り方
1. にんにくの皮を剥いて半分に割り、芯を取って水で10~15分ゆでこぼす。
2. 1のにんにくの水気を切って鍋に戻し入れ、みそ、オリーブオイル、刻んだナッツを加え、弱火にかける。
3. にんにくを潰しながらよく混ぜ合わせ、全体が均一に混ざったら豆乳を加える。
4. 豆乳が全体になじみ、ふつふつと煮立ったら完成。
お好みのバーニャカウダで、おしゃれなイタリアン気分♪
バーニャカウダは、にんにくとアンチョビ、オリーブオイルで作れる手軽なソース。アンチョビの代わりにみそを使うと、和風のバーニャカウダを楽しめますよ。野菜をディップするのはもちろん、パンに付けたり、パスタに絡めたりするのもおすすめです。
にんにくをたっぷり使いますが、しっかりゆでこぼせば匂いもあまり気になりません。色とりどりの野菜を用意して、華やかなイタリアン気分を楽しんでくださいね。