画像提供:あいしま@原稿中(@setup_setup)さん

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東日本大震災から10年が経過するのを前に、3月11日だけは家族や大切な人と「防災について考えて」と訴える被災地での体験漫画が注目を集めている。

この漫画では、写真スタジオという地域住民の思い出を残す職場で働いていた“あいしま”さんが、心の中にしまっていた被災地での体験を描いている。震災後しばらくして若い男性の遺影写真の依頼があった“あいしま”さん。その時は何も考えずに仕上げたという。しかし、その遺影写真とともに家族が写真撮影に訪れたことで、亡くなった男性の背景を全く考えていなかったことに気付き、自身の「愚かさや甘さを反省」。それからも、数えきれないほどの遺影写真の依頼を受け、車で出かけている時に津波にのまれた家族を「写真では1枚に」と合成したり、前年の七五三の撮影データから作成することもあった。

そして、写真スタジオに訪れた子どもたちからは笑顔が消失。家族が「少し笑ってみたら?」といっても表情を変えずカメラの前に立っていたこともあった。このとき目にした悲しみは、10年経った今でも思い出すたびに涙があふれてしまうという。最後は、「被災地に住む人間として」と、「3月11日だけは1分でもいいのでご家族、大切なパートナーと防災について考え話してみてください」とのお願いが綴られている。

この漫画には、あの日を振り返ったり改めて考えたことなどのコメントが殺到。涙してしまう人も。「このツイートにまとめられない感情がブワッときてる」「映像以上に本当に悲しい出来事だったんだなと感じる」「色んな角度から体験談を聞いて考えるのは大事」といった声が寄せられ、大きな反響となっている。