ラツィオを躍進させるインザーギ監督 photo/Getty Images

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近年「カテナチオ」や「ウノゼロの美学」といった言葉は薄れ、独自のスタイルでより攻撃的なサッカーを展開するクラブが増えてきたセリエA。ただ、やはり守備大国とされるイタリアにおいて、スクデットを争うのはより「強固な守備」を持つクラブなのかもしれない。

セリエA第24節終了時点で、首位ユヴェントスから3位インテルまでの勝ち点差はわずかに「3」と、近年稀に見る白熱したスクデット争いを繰り広げている。豪華メンバーを揃えるユヴェントスとインテルが、リーグ戦の約3分の2を消化してこの位置にいるのは前評判通りといっていいだろう。しかし、そこに割って入ったのがラツィオである。

2016年からチームを率いるシモーネ・インザーギ監督のもとで、ここ数シーズン急成長を見せるラツィオ。今季も格下のSPALに敗れる(第3節)など序盤戦こそつまずいたものの、昨年9月25日のインテル戦(第5節)を最後に黒星がなく、現在19試合無敗中となっている。さらに、10月末から破竹の11連勝を飾ったほか、スクデット争いを繰り広げるユヴェントスとインテルからもきっちり勝ち点「3」を奪い、17勝5分2敗で2位につけているのだ。

そんな好調なチームでとりわけ注目されがちなのが、世界最高の選手のひとりと称されるあのクリスティアーノ・ロナウド(20ゴール)を抑えて、現在セリエAの得点ランキングでダントツのトップに立っているイタリア代表FWチーロ・インモービレ(26ゴール)。2015-16シーズンに、66年ぶりにセリエA最多得点記録を樹立したゴンサロ・イグアインの記録(36ゴール)を更新するペースでゴールを量産していることもあり、大きな注目を集めている。

もちろん、インザーギ監督が率いるラツィオの今季の飛躍は、インモービレの活躍が1つの要因だろう。中盤を支える10番のルイス・アルベルトや、これまでたびたび移籍が噂されるもチームに残ってきたセルゲイ・ミリンコビッチ・サビッチらの存在が大きいのも確か。ただ、伊紙『CORRIERE DELLA SERA』が挙げた最も大きな要因はそれらではなかった。同紙は「インザーギの秘訣は鉄壁の防御にある」と綴っている。

さらに、これを取り上げた伊『TUTTOmercatoWEB』も「本当に驚かされたのはラツィオ守備陣の堅守性。なぜなら、これは未知で、予期することも予測することもできない才能だからだ。24試合で21失点。欧州5大リーグを見てもこれ以上良い結果を残しているのは4つしかない」と報じた。

現在リーグ最少失点を誇るラツィオだが、セリエAの直帰13シーズンは最少失点のクラブがスクデットを手にしているというデータもある。はたして、同クラブはこの勢いそのままに、栄光を手にすることができるのか。

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